〜出産0日目〜
無事出産を終えて病室に移動したのは夕方7時くらいだっただろうか。 ちょうど空いていたので幸いなことに個室を取ることができた。 混んでいる場合だと二人部屋になることもあるそうだが、新生児の面倒を見つつふたり部屋というのは結構大変なのではなかろうか。 個室にはシャワーとトイレがついており、後は病院のベッドが一台と小さなテーブル、棚などがあった。
病室に移った私たちは、何はともあれと夕食をいただくことにした。 朝3時からほぼ何も食べていなかったのでとてもお腹が減っていたのだ。 公立病院の出産後の入院では、三食が基本セットとしてついてくる。 ちなみに配偶者は1日10€で部屋に滞在することができ、朝食がついている。 夕食はメニューとしては普通のフランスの食堂といった感じで、ポタージュ系のスープ・キッシュ・野菜の炒めもの・肉の煮物・パエリア・パン・デザートなど。 産後の体調と母乳育児を考慮してか、塩分は極めて控えめであった(塩分0のメニューもあったくらい)。 一方で出産後は体力勝負であるとばかりにカロリーは高め。
グルノーブルアルプス病院の夕食
私たちはお産用の手荷物しか持ってきていなかったので、2−4日の入院に必要な手荷物を持ってくる必要があった。 眠さをこらえつつトラムに乗り、事前に準備しておいた産後入院お泊まりセットを持ってきた。 病院は8時を過ぎるとメイン入口の鍵が閉まってしまうので、裏口の方からインターフォンで人を呼んでフランス語で妻と息子が入院中であることを説明する必要があった。
そんなこんなで無事病室に戻ることができたのは夜の11時くらいであった。 朝3時に起きてから密度の濃い1日を過ごした疲れが出て、すぐさま眠りについてしまった。。。 が、赤ちゃんはそんなことにはおかまいなく初日から元気である。 よく起きてよく泣いた。 あやしていたら寝直してくれるのだが、どうしてもまた起きてしまうのでナースコールを押す。 そうすると服の色でよく見えなかったのだが、実は少し母乳を戻してしまっていたのだ。 服を交換して寝袋タイプの布団を綺麗に拭い、胃の中身が降りていくようにしばらく抱っこしてあげた。 そうすると今度は朝までゆっくりと寝てくれたのだ。 こうして体力勝負の出産0日目が終わりを告げた。。
〜出産1日後ー3日後〜
ドアをノックする音で目をさます。 朝食を運んできてくれたのだ。 時計を見ると8時半。 病院の規則では、配偶者が泊まっている場合は8時半までに起きて片付けておかないといけない。 慌ててベッドを片付けて、朝食を運んでもらう。 朝食は選択制だった。 飲み物はコーヒー・紅茶・ホットチョコレートなど、メインを普通のパンかビスケット(乾パンのようなもの)から選ぶ。 後はヨーグルトか何かかが選べたのだが、ずっとヨーグルトを食べていたのでもう一つが何だったかは忘れてしまった。
入院中の生活は新しいこと・覚えることばかりだが、時間がゆっくりとした感じでもある。 新しい家族との生活を少しずつ学ぶことができた。 時折助産婦や医師が訪ねてきて嫁や赤ちゃんの検診をしたり、赤ちゃんの面倒の見方や授乳の仕方、お風呂のいれ方などを教えてくれる。 またナースコールを押せば助産婦がきてくれるが、すぐやってくることもあれば10分以上もやってこないこともあった。 ここら辺はフランスらしい。。 ちなみに英語を話す人の割合はだいたい半分程度か。 グーグル翻訳を使ってみたり、身振り手振りまじりのフランス語で大体なんとかなるものであったが。 その他の時間は赤ちゃんが泣いていれば、授乳かおむつ交換かあやすか。 赤ちゃんがよく寝てくれていれば、此れ幸いと私たちも仮眠を取る。
私は入院中に何度か買い物をしたり、ちょっとしたものを取りに家に戻ったりもしていた。 朝方の体温測定で赤ちゃんに熱があり、血液検査をしなければならないと言われた時はひやっとしたものだが、検査結果は異常なしであった。
大変だったのは二日目の夜である。 母乳が初乳から成乳に変わるため、赤ちゃんの食欲が凄まじいことになる。 一時間おきには起きて母乳を求めて泣き続ける。 私は起きるだけで良いが、嫁は母乳を毎度与えないといけないためとても大変な夜であった。
3日目からは少し長めに寝てくれるようにはなったが、入院中の夜はほぼ寝ては起きての状態であった。 後は3日目にボスが家族とお見舞いにきてくれた。 グルノーブルアルプス病院では午後2−8時がお見舞いの時間になっており、この時間内の出入りは自由のようだ。
〜出産4日後・退院〜
入院生活もあっという間に退院の日となる。 私は午前中に役所にいって出生関係の書類仕事を済ませ、夕方にボスの奥さんに車で迎えにきてもらった。 全て情報が登録されてるからなのか、保険で全額賄えるからなのかはわからないが、病院での退院手続きはなぜかゼロ。 助産婦に聞いたら、そのまま出て行けば良いということであった。 赤ちゃんが車が大丈夫か少し心配したのだが、短い距離であったので全く問題なくおとなしくしていてくれた。
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