フランスで妊娠・出産1 〜病院選択

私たちがフランスに渡航した当時、嫁は妊娠五ヶ月ほどであった。 なのでフランスに家族揃って渡航できるのかどうか、その時は不安を持ちつつ渡航準備を始めたのを覚えている。
まず気になったのが、妊娠中の飛行機が大丈夫なのかという点。 いろいろと調べた結果、安定期に入っていたらフライト自体は問題なさそうだという意見が多かった。 もちろん普段より疲れやすかったり、環境にセンシティブであったりするので、万全のケアが必要だ。 航空会社の方でも、早めに搭乗できるなどの妊婦へのケアを行ってくれる。 私たちは飛行機内で少しでもリラックスできるように、最後部座席の方の二人がけのシートを早めに予約した。
とはいえフランスまでの長時間のフライトであり、時差ボケもあったので旅行後の嫁はだいぶ疲れていた。 妊娠中の長距離移動は避けられるに越したことはないだろう。
フランスに入国後、別記事で既に書いた様に保険問題をクリアした。 そこで次なる問題は、検診や出産の病院をどう決めるかということだった。 フランスの医者のシステムは、まずホームドクターにかかる。  それから必要があれば専門医に紹介してもらうことになるらしい。 らしいというのは、この方法ではまだ病院のお世話になっていないからだ。

さて、私たちが病院の情報を集め出すと友人達が様々な情報をくれた。
職場のボス「北病院に直接行くのがベスト。 彼らは英語が話せるし、いろいろ面倒が少ない。 」
職場の先輩「私は別のとこで産んだけど、外国人だったら北病院が一番だったって後で言われた」
職場の大ボス「わしの孫は北病院で助産師をしていた、英語の翻訳サービスもあるらしいぞ」
大家夫婦「クリニックが綺麗だからいいのでは? 知り合いの知り合いの産婦人科紹介しようか?」
大家の義理の息子医者「北病院。 総合病院だったら何があってもすぐ対応できる。施設はクリニックのが良いけどね。」

というわけで、四対一で通称北病院にお世話になることにした。 利便性よりも確実性を取りたかったというのもある。 ほかの私立病院などと公立病院の詳しい比較は、嫁が英語版の方で詳しく書いているので参考にしてほしい。
北病院は通称の様で、正式にはユニヴェルシテール・グルノーブル・アルプ総合病院(CHU,centre hospitalier universitaire Grenoble Alpes)、大学病院だ。 メインの建物はトラムB線のミシャロン(michallon)駅側にあるが、産婦人科専門の建物が同B線のラトロンシュ(la tronche)駅から降りてすぐの場所にある。

英語を喋れるという情報に気を大きくして、さっそく予約を取ろうと電話をかけてみた。 ところが・・・フランスあるあるの一つ、どんなに英語を喋る人の多い機関でもなぜか電話受付の人は英語を話さない、にヒットしてしまう。 なんとかつたないフランス語を使ってコミュニケーションを試みるが、理解できた単語を並べると、フランス語喋れる人を探してきてねってことであった。 なので、職場の同僚に電話予約を代理でしてもらうことにした。
その後話はスムーズに進んで、無事同病院に予約をとることができたのだった。 ちなみに、大学病院の産婦人科の場合ホームドクターからの紹介などは必要なく、直接予約を取ることができた。 嫁は現在もこの病院に通いつつ、まもなく出産を当病院で迎える予定である。 少し長くなってきたので、他のトピックは別記事にまとめることにする。

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