フィンランドでの仕事の契約延長に伴う諸手続き

フィンランドで働き始めて早くも5ヶ月目に入った。 順調にいっているものもいっていないものもどちらもあるが、全般にはフィンランドの生活を楽しむことができている。
仕事の方は順調。 結構面白いプロジェクトだし就労環境も良いのでかなりハッピー。 まあ高齢ポスドクをするのは少し大変だけど、フィンランドは全般に年齢が高めなのでそんなに気にもならない。
一方で順調でないのは、社会保障への加入や住民登録などの手続き。 1年間の契約はテンポラリー扱いなので、フィンランドの社会保障や住民サービスをフルに受けることができない。 私と嫁だけだったら民間の健康保険で乗り切ることも可能なのだが、赤ちゃん用に購入できる保険というのは未だ見つかっていない。

さて、フィンランドの社会保障だが2年間の仕事契約になると、家族全員がほぼフルに受けることができるとのことだ。 フィンランドは2年以上の滞在は永住とほぼ同じ扱いだそう。
仕事にもハッピーだし、延長して待遇が良くなるのなら悪いことは何もない。 そういうわけでフィンランドでの仕事を1年延長してみることにした。

仕事の延長契約の交渉

何はともあれ契約を延長してもらわないといけない。 働き始めて4ヶ月しかたっていないのに契約更新の話をするのはちょっとためらわれたのだけど、割と正直に保険とか色々ベネフィット受けられないし契約延長できないかと聞いてみた。 するとボスは今のところ私の仕事にはハッピーだということであっさりオーケー。 ただHRに聞いてみないとこの時期に更新ができるかはわからないとのことであった。
そのため翌日HRを訪ねた。 人事の規則は結構厳密なことが多いのでダメなときはダメかななんて思ってもいたのだけど、こちらもあっさりオーケー。 フィンランドの大学は契約更新のルールとかあまりないのかな。
数日待って作ってもらった契約延長のコントラクトにサインをして、契約延長手続きはおしまい。 なぜだか大学に登録されていた私のID番号が間違っていたなんて話もあったけど、無事仕事の契約延長ができたのだった。

滞在許可証の延長

HRはこの滞在許可証の延長が他の延長手続きに必要なんじゃないかと言っていた。 しかしホームページには3ヶ月以上前に始めてもあんまり良いことはないよ的なことが書いてある。 私たちはひとまず住民登録とKELAの登録申請を先にやってみることにした。 滞在許可証の延長については後ほど別に投稿を書くことにする。

KELAの再登録申請

とりあえず嫁が契約延長のコントラクトだけ持ってKELAオフィスを訪問。 そうしたらこのコントラクトだけで、もう一度KELAカードの申請を出してみると良いとの助言であった。 前回と同じく緊急プロセスで出してもらえたので、少ししたら結果がわかるであろう。
3週間ほど待ったけど未だ音沙汰なし。 緊急でも時間がかかることもあるらしい。 結果が出たらアップデートする。

2017年12月16日追記: 書いたつもりで書いていなかった。 もうだいぶ前だけどKELAへの申請がなぜか再却下される。 何か間違ってないかと確認の電話をしたところ、何かが間違っていた模様。 その後無事に嫁と子供ともにKELAへの加入ができたとの連絡が来た。

住民登録の延長

再びやってきた住民登録オフィス(maistraatti)。 前回と同じく、入り口近くのボタンを押して待ち番号を取得する。 待ち人数は二人だけ。 十月の半ばというフィンランドに移住って時期じゃなかったので、オフィスはガラガラだった。

さて私たちに色々と起こっていた移住関係の問題は、フィンランドでの住所がパーマネントではなくテンポラリーだということが原因だった。 なので番号を呼ばれて窓口に向かった時、最初にパーマネントアドレスに住所変更できるかを質問してみた。 すると不思議なくらい簡単にオッケーとのこと。 やはり契約期間が1年か2年かの壁は大きいよう。
最初の時と同じくパスポート、滞在許可証、そして仕事のコントラクトを渡してコピーを取ってもらう。 その間に記入するように渡された書類に、自分たちの名前や、ID番号などを記入してサインする。
待つこと十分ほど、その場でパーマネントアドレスとして登録しましたという書類を発行してくれた。 最初の申請の時は全く更新されなかったオンラインの住所情報も、その場でアップデートしてくれたとのこと。 全てうまくいって満足な更新であった。

トラベルカードの取得

パーマネントアドレスを取得したことにより、テンポラリーアドレスの弊害その1であった格安トラベルカードが取得できない問題が解決されるはずである。 そこで再びHSLのサービスポイントを訪ねてみることにした。
訪れたHSLのサービスポイントで、トラベルカードをとりあえず六十日分取得したい旨を告げる。 すると受付のお姉さんからテンポラリーアドレスで登録しているのかというどこかで聞いた様な質問。 住民登録のお姉さんはウェブシステムもアップデートしたとは言っていたが、実際にHSLなどから見れる情報がアップデートされていなかったようだ。
しかしこんなこともあろうかと持ってきておいた、パーマネントアドレス登録の書類を見せると問題なく購入の手続きをしてくれた。 値段は六十日間で103ユーロほど。 今までの普通のトラベルカードだと一日往復で4.36ユーロだったので、土日を全く使わない計算でも半額くらいになる。

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赤ちゃんとフィンランドに移住してからの医療関係手続き

ちょっと前に赤ちゃんとフィンランドに移住してからの滞在許可証の手続きについて書いた。 今回は滞在中の赤ちゃんのフィンランドでの医療システムについて書いてみたい。

社会保障カード(KELA)への申請

息子用の滞在許可証の申請が済んだので、KELAカードの申請も行うことにした。 赤ちゃんなので嫁が代理申請。 私たちのkela申請はなぜだかヘルシンキに行ったのだけど、息子のはEspooの地元のオフィスで申請ができた。 嫁が言うには申請書類に記入して提出するだけだったとのこと。
しかし数週間ほどで却下の連絡。 やはりフィンランドは1年契約の仕事にはあまりよろしくないようだ。 ちなみにこのKELAカードの申請、自己申告で緊急だというと急いでやってくれるそう。 緊急でない場合はかなりのんびりしている。 どういう事情が緊急になるかは謎。

赤ちゃん用のワクチン接種が可能な病院探し

というわけでしばらくkelaカードなしで、ワクチンやら定期検診やらをこなさないといけないということになった。 そしてこれが結構大変だった。
まずKelaカードがないとワクチンには地元の公立診療所が使えない。 無料にならないのではなく使えない。 発熱など緊急の場合は受け付けてくれるそうだけど。 さらに私立病院に電話をかけてみるものの、赤ちゃん用のワクチンはやっていないというところが多かった。
嫁が諦めずに頑張って調べて見たところ、最終的にヘルシンキにある市立病院(Mehilainen,Toolo)が赤ちゃんのワクチンに対応しているということがわかった(Bus/Tram stop Apolonkatu)。

私立病院Mehilainenの訪問

というわけでやってきたMehilainen。 子供病棟は2階。 待合室はたくさんのおもちゃなどが置いてある。 綺麗な授乳室、おむつ交換台ももちろんあり。 ついでに大人用にコーヒーの無料サーバーもあった。
エレベータを上がると受付があるので最初に登録を行う。 そういうわけでKELAカードはなくても良いけど、普通は滞在許可証と一緒に発行されるフィンランドのID番号は必要。
受付が終わると診察室の番号を指示されるので、時間になったら部屋の前で待っているとナースに呼ばれる。 ナースは赤ちゃんのフィジカルチェックを一通りして、あとはフィンランドでの子育てについての雑談をしていた。
しばらくすると今度はお医者さんの部屋に移動。 まずはどうワクチン接種をしていくかについて相談。 しばらくフィンランドにいる予定なので、フィンランドのワクチンプログラムに従ってワクチン接種を行うことにした。 お医者さんも一通り息子の健康診断をして、それからワクチン接種のためにナースの部屋へと戻った。
PCV13(プレベナー13)、 Infanrix Hib Polio(3種混合にhibとポリオ)、とRota(ロタウイルス)が初回のメニュー。 最初の二つが注射で、ロタウイルスは経口接種のワクチンだ。 ワクチン接種のあと、15分ほどアレルギーチェックのために待つことになった。

そういわけで私たちは保険なしで私立病院の利用ということになる。 気になるお値段であるが、やはりそれなりに高い。 二度の訪問で500ユーロオーバー。 内訳は下記のような感じだ。

医者の診療三十分(125ユーロ)、ナース(50ユーロ)、医療登録(19.5ユーロ)、ロタウイルス(73ユーロ)、Infanrix polio + hib(26.5ユーロ)、PCV13(91.7ユーロ)。

最近三度目の訪問をしたのだけど、その時は400ユーロくらいだった。 ワクチンは年3度なので、他のメディカルチェックを合わせて年2000−3000ユーロってとこかな。 年で考えるとそこまで高いわけでもないけれど、やはりKELAカードは欲しいところ。 というわけでKELA加入を目指すべく現在仕事の契約延長の交渉をしている。

ちなみにこの健康保険と病院訪問の内容は、以下の嫁のブログの方に詳しく書かれている。

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D&X

赤ちゃんとフィンランドに移動してからの諸手続き

さて私の息子もまもなく5ヶ月になろうとしている。 フィンランドへ移住したときは赤ちゃんは生まれたてだった。 そのため息子がフィンランドへ移住したときは、彼のフィンランド移住用の手続きは全くしていなかったのだ。
今回の投稿ではそんな感じでフィンランド移住した場合の子供関係の諸手続きについてかいておきたい。 具体的にはフィンランド国内での滞在許可証の申請、フランスでのアポスティーユ申請、MIGRIでの面接などについてまとめる。

幼児のための滞在許可証の申請

滞在許可証の申請に必要なもの

私の息子がフィンランドに移住したときは生後1ヶ月半であったので、フランスでの滞在許可証の申請は時間的に現実的ではなかった。 そこで出産後に急いで日本のパスポートを取得し、息子はそのパスポートを利用してフィンランドへと入国したのであった。
というわけで息子が3ヶ月以上の滞在をするには、滞在許可証の申請をフィンランドでする必要があった。 赤ちゃんの滞在許可証の申請に必要なのは、許可証の申請書、赤ちゃんの出生証明、パスポート、私と嫁が子供の保護者であることの宣言書(自分で書けば良い)それから私の仕事の契約書類、滞在許可証にパスポートだ。
問題は出生証明の書類で、アポスティーユをつける必要がある。 我々はEU内の翻訳済みの書類なら問題ないのかと思っていて、このアポスティーユの取得のためにプロセスがかなり遅れてしまった。

フランスの書類のためのアポスティーユの取得

そういうわけで息子が我々の子供だという書類に、アポスティーユを取得する必要があった。
簡単なのは日本の戸籍謄本の法定翻訳をアポスティーユ付きで取得し送ってもらう方法。 私の嫁との結婚証明は私の戸籍謄本の法定翻訳のアポスティーユを使ったのだった。 問題点はこれを子供用に新たに日本で取得すると費用が3万円ほどかかり、それを郵送したりなんだりするともっと値段がかかることだ。
もう一つの方法はフランス発行の出生証明書にフランスのアポスティーユを発行してもらうというものだ。 我々の子供はフランス生まれなので、フランスの市役所に出生証明書は出してもらえる。 この出生証明書をフランスの裁判所に送るとアポスティーユがもらえるというのだ。 なんと無料
しかしこのプロセスはフランス国外からだと難しかったので、フランスでお世話になっていた大家さんにお願いして代行してもらった。 数週間待ったけど無事アポスティーユ付きの出生証明を手に入れることができたのだった。

電子申請と移民局(MIGRI)の訪問

無事申請書類が全て集まったら書類のスキャンを準備し電子申請をして、MIGRIサービスポイントでの面接予約を取ることになる。 この予約は大概数ヶ月待ちなので、書類の取得の見通しが立ったら早めに予約しておいた方がよい。 当日は全ての書類の原本を持っていく。 書類のコピーも持ってきてとのメールを受け取ったが、当日そのコピーを回収されたりはしなかった。
MIGRIのサービスポイントは地下鉄のSörnäinenから近く。 ヘルシンキでは大きめのアジア系スーパーマーケットDFH Asian Marketが割と近くにある。
予約をとった日に予約時間の十分前に訪問。 中に入って行くと予約がある人は中に入って待っていてくださいという目立つ張り紙。 一応受付の人はいるので何やら質問してる人もいた。
中に入ると面接用の部屋が25部屋ほどと広い待合室がある。 中に入っても特に番号をとったりとかするわけではないのでちょっと不安になる。 入り口の張り紙を確認しに戻ると、実は他にもいくつか張り紙がしてあって説明が書いてある。 その中の一つに予約してある人は名前を呼ばれるので、待合室でただ待っていてくださいと書いてあった。 しばらくすると館内放送で息子の名前と、面接のための部屋の番号がフィンランド語と英語で呼び上げられた。

面接が開始したら電子申請しておいた書類の原本を見せるだけ。 それから申請料金を260ユーロほど払っておしまい。 一人だけだと十分くらいで面接は終わる。
ちなみに十日間待ったところで、申請状況を確認したけれど全く変化なし。 国外から申請するよりかなり時間がかかるのかもしれない。 私たちが自分たち用にフランスで申請したときのほうがかなり早かった

ちなみにMIGRIは急ぎの場合予約しないで直接訪れることもできる。 その場合は早朝にオフィスを訪れ、待ち番号を取得する。 んでもって呼ばれるまでひたすら待つそう。 下手すると一日待って呼ばれないなんてこともあるそうで、大学のHRはあまりオススメしないと言っていた。

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アメリカの税制 〜タックスリターンのフリーソフト

思い出したついでに書いておこうシリーズ。 フランスの税金について書いたので、この機会にアメリカの税金システムについても思い出しつつ書いてみることにした。

アメリカは普通のサラリーマンなら、あらかじめ給料から税金が引かれているはずだ。 大概の場合実際の税金より多目にひかれているので、毎年三月くらいから過払い税金の返還手続きをする必要がある。 締め切りは毎年四月十五日。
普通のタックスリターンの場合はそんなに必要書類はなく、職場からもらえるW2という書類を準備しておけばよい。 銀行からも利子にかかる税金用の書類が送られてくる。 私はこの銀行の書類も一応入力はしておいたが、よほど預けている人以外は税金額に影響はないはずだ。

さて税金返還の申請は二通りの方法がある。 書類を記入して郵送する方法と電子申請だ。 シンプルな控除しかない家庭の場合は、電子申請をするのが良いだろう。
電子申請はフリーのソフトウエアを使ってサクサク終わらせることができる。 どのソフトも質問形式で記入ミスや漏れがないかのチェックをしながら、申請ファイルの作製をしてくれる。 W2に書いてある情報を中心に言われるままに入力していけば、30分もせずに入力は済むはずだ。
私は最初の3年はたぶん最大手のTurboTaxというソフトを使っていた。 フリーにも関わらずとても見やすいインターフェイスを備えておりおすすめできる。 色々ローンだったり寄付だったり控除がある場合は、アップグレードしても良いかもしれない。 しかし基本的には無料のもので十分だと思う。 私のいた州は連邦税だけだったので州税に関してはわからないが。

私はアメリカを出た最後の年だけ TaxActというソフトを使った。 見た目はTurboTaxよりだいぶシンプルだが、こちらも単純な税金計算には十分以上のソフトウエアだった。
最終年にTaxActを使った理由は、私の住所の問題であった。 この年のタックスリターンの際にはすでにアメリカ国外にいたのだが、TurboTaxの無料バージョンでは国外の住所からの申請に対応していなかったのだ。 この状況に無料バージョンで対応してくれたのがTaxActだったのである。
ちなみに年の途中で国外に出国した場合にはもう一つ問題がある。 アメリカの場合健康保険に入っていないと、タックスリターンの際に罰金を取られるのだ。 国外出国してる場合は、その旨をしっかり入力しておく必要がある。 さもないとタックスリターンの中から罰金を徴収しようとしてくるかもしれない。 ソフトウエアが自動で対応してくれるとは思うが、念のため確認しておいた方が良いだろう。

電子申請がすむと1ヶ月くらいで税金が送られてくる。 銀行振込やらチェックやらが選べたかと思う。 給料や職場次第だろうが結構な金額が戻ってくるので、ちょっとしたボーナス気分が味わえる。 まあ自分のお金なのだが・・

ちなみに自分で書類を作製するのもそんなに難しくないようだ。 私の嫁は毎年自分で紙に書いて出していたが、電子申請より早く終わるくらいのスピードだった。 もちろん郵送などの手間がかかるのでその辺りは好み次第だろう。 嫁の場合は州をまたいで所得があったり前年の計算を間違えて修正をしたりしていたので、その都合上フリーのソフトウエアが使えなかったのだった。

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忘れちゃいけないフランスでの税金用の所得申告

というわけで今回はフランスの税金について書きたい。 フランスは珍しい国で、2017年現在源泉徴収をしていない国である。 2018年からは源泉徴収がされる予定になっていたらしいが、大統領がマクロンに変わったので予定通り変更されるかはまだわからないそうだ。 しかし予定通り2018年から源泉徴収がされように変わるとすると、2017年の税金は二重課税にならないように免除になるという話をちらほら見かけたが、フランスの同僚はどうなるかはまだわからないと言っていた。 税制自体が実際に移行されるかどうかも含めて、来年の五月まではたまにこの情報を確認して行きたいと思っている。

さてフランスでは五月になると前年の所得を申告して税金の支払い額を決める必要があるそうだ。 そうだというのは表題に戻るが、私はこの手続きに気づかず申告していなかったからだ。 そもそも税金は私の給料から源泉徴収されていると思い込んでいた。 またちょうどこの五月というのが私がフィンランドへの移動でドタバタしていたときであり、こんな申告があることにすら気づいていなかったのである。
ではなぜ私がこんな投稿を書き出しているかというと、フランスとフィンランドでの間での二重課税はされないという協定に原因がある。 私がフィンランドの税金オフィスに行って税金カードの作成をした際、フランスで税金を払っていた証明ができればフィンランドでの税金が減免になるという話があった。
そこでフランスの元の職場に私の払った税金について問い合わせたところ、実は源泉徴収されていなかったということを知ったのだ。 そうなると私の2016年の所得については申告漏れということになる。 慌ててグルノーブルの税金事務所に連絡をとった。
数回の税金事務所との情報交換のやりとりの末に、2016年の収入については申告の必要がないということが判明したのであった。 税金事務所によると2016年の収入が十二月の1ヶ月のみであることと、現在フランス国内に家など住所を持っていないことなどが主要な理由だそう。 短期での就労の場合はケースバイケースかもしれないので税金事務所に確認して置いた方が無難だろう。
2017年に働いた5ヶ月分の収入に関しては2018年の五月に申告をするのだが、税金が課税されるのは2018年の一月に住んでいた国ということになるそう。 そうなると私は一月はフィンランドにいるだろうし、2017年はフィンランドで源泉徴収で税金を払っているので、フランスでは税金を払わないということになるのかな(そもそも上記のように2017年は全員免税の可能性があるそうだが)。 これに関しては来年の五月まで情報を集めつつ対処していきたいと思っている。
ちなみに予定通り源泉徴収に移行したらこの投稿の情報は全く有用でないとも思うのだけど、自戒も込めて投稿しておきたい。 後で何か有用な情報が判明した際はこの投稿に追記する。

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海外でのポスドクの始め方 〜応募から面接まで

ようやく100投稿目ということで何を書こうかと少しなやんだ。 色々考えてみたのだが、このブログを始めるきっかけともなった海外ポスドクの始め方について書いてみることにした。

海外でポスドクをすることについての雑感

さて始め方とはいったものの、将来的に日本で就職を考えている方々は始めない方が良いのかもしれない。 就職をしっかり決めてからサバティカルなり、海外学振なりで経験を積みに行くのが王道なのだろう。 または共同プロジェクトでもやってるとこなら、日本所属のまま海外出られるし。 アメリカの国立研究所にいた時は、そのようにアメリカで働いているポスドクが結構いた。
海外雇いになると日本の学会にいくのに予算を出してもらえるかわからないし、日本での就職のためのコネクションをキープするのも結構大変だ。 某東大の先生に日本での就職についてご教示いただく機会があったのだが、博士の就職活動はまずはコネと若さ。 業績やスキルが重要でないわけではないが。 海外に下手に出るとより大切な若さとコネを失う可能性がある。 ちなみに海外で就職する場合でもコネは重要。 若さについては年齢差別になるから海外の人はまず言わないけど。
しかしさまざまな都合で海外でポスドクをするのがベストの選択という方もいるだろう。 海外でそのままポジションを取りたい人とか。 または私のように国内で就職先が全く見つからなかったから、海外逃亡するという方もいるのかいないのか。

どうやって海外ポスドクへの応募するか

さて海外でポスドクを始めたいときにどうするかである。 まずは公募に普通に応募するパターン。 有名どころだと、サイエンス・ネイチャー・ACSなどのウェブページにたくさん公募が出ている。 最近だと色々とポータルがあるので、求人情報には困らないだろう。 あとはとても行きたい大学や施設がある場合は、そこのホームページの求人をちょこちょこ直接チェックする。 結構出せそうなポスドクがあったりするものだ。
自分のスキルやテーマにあっている求人を見つけたら、CVなどの要求書類を添付して応募することになる。 ポスドクだったら大して書類はない。 書類選考を抜けると電話面接などの連絡が来る。 ここまできたら数人の最終候補での競争になっている。 ここまで来ると結構チャンスはあるものだ。 たとえ一番ではなくても、他の候補者が別のポストを優先するかもしれないので。
ちなみにどこでもそうだと思うが、知り合いの本命候補がいてまず無理って公募は結構ある。 妙にスペシフィックな条件が記述されていたら、そうなのかもしれないなと思いつつcvだけ送っておくとよい。 いずれにしろこのパターンでは数を撃たなければあたらない。 二ヶ所以上お話が同時に来たら条件のよいところを選べばよいのだ
しかしニッチな研究分野では、そうそう都合の良い公募が見つかるものでもない。 そんな時はやっぱりコネだ。 博士論文を書くのにも、今の時代一人や二人海外からの共同研究者がいるものだろう。 そういった人たちにちょろっとポスドクの予算がないかきいてみるとよい。 結構予算持ってたりするし、彼らの友達に予算を持っている人がいるか聞いてくれたりするかもしれない。 先に話しが通っていると、大分採用される確率が高くなる。 いずれにしろ公募にはなるのだが、条件が大分絞られていて競争率が低くなっていたりする。 こちらのパターンでも落ちるときは落ちるようだが、成功率はかなり良いはずだ。 ちなみにこちらのパターンでも、他にもっと良い職があったらそっちを取るってことは結構あるようだ。 アメリカのポスドクに応募した時は、受かったら本当に来るのかどうかってことを面接でしっかり確認された。

以下は実際にアメリカとフィンランドのぽすどくに応募したときの体験である。

アメリカのポスドク・応募と面接

博士号を取得してしばらく就職先が見つからず、大学で無給の研究員をやっていたときだった。 元ボスから共同研究者の一人がどでかい予算を当てたからポスドクを一人とれるかもしれないとの連絡。 すぐさま雇ってくれるなら頑張って働きますと伝える。 しばらく待っていると、面接試験がしたいとの連絡があった。 電話面接でも良いけど、来てくれたら飛行機と食事ホテル費用はだすとのことであった。 そこで当時電話での英語にまったく自信のなかった私は、アメリカまで面接しにいくことにしたのだった。

さてこの時の面接試験は丸一日を使ったなかなか盛大なものであった。 日程的には夜到着。 次の日が一日試験。 翌々日の早朝には帰りの飛行機に向けて空港へ向かうという二泊四日の強行軍。 なのでコンディションはなかなかに最悪だった。 とはいえ共同研究者は相変わらずとてもよい人で、最初にお話して英語をならしつつリラックス。 それからそのラボで一緒に働くことになる研究者たちと一人30分ずつくらいの面接ラッシュ。 お昼ご飯を食べたら小さなセミナーで30分程度の発表。 その後も面接がいくつかと、施設見学などをびっちりと。 すべてが終わったのは6時くらいだったかな。 とても密度の濃い一日であった。 面接が終わった後は精魂尽き果てており、翌日のフライトに備えてホテルで寝るのみであった。

日本に戻った後はサンキューレターを一応書いたけど、元々知り合いの所にいく場合はそこまで重要ではないのかな。 まあ一応礼儀として。 数週間待った後に無事採用の連絡が来たのだった。
ちなみに後日談だが共同研究者はよっぽどでなければ私をとる予定だったそう。 同僚にはほぼ決まってたんだから、旅費の無駄だったんじゃないかと冗談混じりに言われてしまった。 しかし強行軍の面接と慣れない電話面接のどちらがよかったかは今でもよくわからない。

フィンランドのポスドク・応募と面接

こちらはフランスのボスの所にフィンランドの知り合いから、ちょうど私のような研究をしてるぽすどくが欲しいとのメールが来たのだった。 とても良いプロジェクトだったので、ボスに転送してもらった後にすぐさま応募。 書類はCVと論文3報だったかな。 しばらく待つと、スカイプで面接をしましょうとの連絡が来たのであった。
面接当日はネットワーク障害か何かでなぜかスカイプがつながらず。 しょうがないので、携帯電話で話すことにしたのだった。 こちらは予算は大きいけれど、規模は小さなプロジェクトだったので今のボスとだけ面接で良かったのだった。 なので電話でちょろっと話すというので問題はなかった。

面接で話したことと言えばまずはプロジェクトの内容について。 内容は応募したときにもちろん把握はしていたのだが、どの程度すでにプロジェクトが進んでいるのかや、就職先で使える実験装置などについて具体的に話した。 後このポジションは結構旅が多くなりそうなので、どの程度旅に出られるかなどの確認。
また契約期間や契約条件などについても、しっかりと確認しておいた方が良い。 結構適当に喋っていると後ほど細かいところが違っていたってこともあったりする。 アメリカの時は3年までポスドク更新できると面接の時に話した記憶があったのだが、ボスは2年までだと思っていたのだ。 結局問題なく更新はできたのだが、最初にしっかりと確認しておく方が後々問題がなくて良い。
この面接時には私の先行きがきまっていなかったこともあり、できるだけ一年は続けて欲しいと向こうから言われたのだった。 私はこの時テニュアトラックのポジションも出していたので、それを伝えた上でできるだけ1年やれるように努力はしますと伝えた。 結局他は全敗だったので何の問題もなかったのだけど。
ちょっと採用先で色々事情があったようで、お返事は数ヶ月待つことにはなったのだけど、最終的には採用の連絡が来たのであった。

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フィンランドの公共交通HSL 〜バス・地下鉄・電車の乗り方

路線探索のためのHSLアプリ

ヘルシンキ・エスポーエリアでは入り組んだバスネットワークが形成されている。おかげで便利なのだが、どのバスに乗っていいかわかりにくくたどり着くのが大変だ。
そんな時に便利なのが公共交通HSLの携帯アプリ。
アプリにはチケットの購入機能と、路線検索がメインの機能。クリックするとウェブページに飛ぶので、最初からウェブページに行っても良いのかな。最近HSLのアプリがアップデートされて、独立のアプリになった。

外部リンク: HSL App

クレジットカードを入力しておけば簡単にチケットが購入できるので、ヘルシンキに旅行するなら入れといても良いかも。それにちょっとチケットが安くなる。

路線検索はGoogle mapでも結構正確だけど、特にバスを使う場合だとオンラインで正確な時刻をアップデートしてくれるHSLのappも便利。

たくさんのバスが停まるバス停

たくさんのバスが停まるフィンランドのバス停

使い方は出発地と到着地のアドレス、もしくは目的地(空港とか、ショッピングセンターとか)を入れるだけ。歩きの指示も出してくれるので、到着地の住所をそのまま入れれば良い。
GPSをオンにしておけば、現在地からの案内もできる。ルートをサーチすると、3つのルートが到着の早い順に表示される。バス停の近さ・乗り換えの待ち時間・乗り換え駅などで選ぶと良い。
同じ行き先のバスがたくさんあったりするが、どれが一番良いかは慣れるしかない。冬ならたどり着くのが遅くとも最初に来たバスに乗る必要があるかもしれないが。
また同じ番号でも後ろについているアルファベッドで経路が異なっていたりするので注意が必要だ。最近別の行き先のバスに乗ってしまって、家まで走って帰った。

バスの中では案内の放送はない。フィンランド語でもないのでバスの中はとても静か。
フィンランドに来て初めてバスに乗ったとき、運悪く行き先表示の電光掲示板が停留所の名前を出さないバスだった。今までの経験だと半分くらいのバスは停留所の名前を出さない。こうなると停留所を知っていなければバスを停めることもできないので大変だ。
2019年5月現在では、ほぼ全てのバスがしっかりバス内の電光掲示板で次の駅や、終点を表示している。稀に壊れていることはあるけどね。
バスは降りたかったらSTOPボタンを押して運転手に伝える必要がある。押さないとバス停には止まらない。トラムも同じようにボタンを押す。地下鉄と電車は勝手に各駅止まる。

以前降りる駅がわからなかった時は近くのお姉さんが英語が話せて助けてくれた。HSLの経路案内のウェブページにGPSの利用を許可していれば、停留所マップや現在地表示を出してくれる。これを見ていれば初見でも自分でなんとかできるかな。
GPSやウェブページにエラーがある場合は諦めて運転手かその辺の人に助けてもらうしかない。フィンランド人は親切な人が多いので助けてくれる。

トラベルカードの取得

長期滞在の場合はトラベルカードを取得すると良い。トラベルカードを取得するには、HSLのサービスポイントに行く必要がある。サービスポイントは各エリアに一つくらい。二週間から定期券的に買えて、大分チケットが安くなる。1日1.5から2ユーロくらい?
ただし安くするには住民登録が済んでいることが必要。私が最初取りに行った時は住民登録前だったので、高くなっちゃうよっておばちゃんに忠告された。そこで住民登録が済んでから出直すことにしたのだった。
ちなみに普通のトラベルカードは入金しておいて電子マネー的に使える。これも実は結構安くなるのだ。ヘルシンキだけなど狭いエリアチケットの場合、ドライバーから買うと3.2ユーロ携帯のアプリのチケットで2.9ユーロ、トラベルカードだと2.2ユーロといった具合だ。ヘルシンキ・エスポーなど広いエリアのチケットになると大体倍額になる。

2018年1月3日追記: HSLのアプリで携帯から購入できるチケットの価格が上記のトラベルカードと同じになったようだ。なので定期券を購入しない場合トラベルカードを取得する意味合いは薄くなった。携帯のアプリを使った方がお手軽。ついでに1ヶ月の定期券までは携帯のアプリで購入できる模様。

その後住民登録手続き後にサービスポイントを再訪。
住民登録の完了には、二、三週間かかるとのことであったので、申請中でも大丈夫かなと思いトライ。結果無事撃沈。三・四日待ってからまた来てねとのことであった。そこで住民登録オフィスから登録完了のお手紙が来るまで待ってから
再びトライ。しかし今度は別の問題が発生。
1年の滞在の場合だと、登録される住所がテンポラリーの住所になるそうなのだ。残念ながらテンポラリーの住所では格安のトラベルカードの取得ができないそう。諦めて普通のトラベルカードを取得することにしたのだった。
パーマネントのアドレスを取得したらまた試すことにする。

追記: パーマネントアドレスを手に入れたのでトラベルカードの定期券が取得できた。

HSLチケット購入のための新しいABCゾーンシステム

2019年5月4日追記:

チケット購入のためのゾーンやシステムが変更された。前はエスポート、ヘルシンキ・ヴァンターエリアなどで分かれていたのが、ABCとなったのでわかりやすいようなそうでもないような。

私が住んでいるところはCなのでBに行こうと思うとBCチケットを購入する必要がある。これが前回までのエスポー内チケットとほぼ一緒なんだけど、携帯アプリでの購入の場合で、2.2ユーロが2.8ユーロに値上げされている。
同じようにAまで行こうと思ったらABCチケット。空港と市街地の往復なんかがそう。んで4.2ユーロだったのが今は4.6ユーロかな。

これだけ聞くとちょっと残念な値上げなんだけど、前回のシステムだとエリアまたぎのところで値段が変わっていたので、エスポーからヘルシンキへの短距離地下鉄で4ユーロ以上払わないといけなかったのが、2.8ユーロだけで大丈夫ということになったのが利点。
それからゾーンの定期券を持っている場合で、そのゾーンの外に行く場合はエクステンション用のチケットが買える。この場合2.5ユーロだそうなので、30ユーロセントお得ということになる。最近2.5ユーロじゃなくて1.2ユーロだっていう話を聞いた。確認してないのではっきりしたら後でまた追記するかも。

値上げになるか値下げになるかはどれだけエスポー・ヘルシンキゾーンをまたぐか次第かなあ。アールト大学とヘルシンキ大学を行き来するような人には良い変更かもしれない。

バス・地下鉄・電車への乗り込み

バスに乗り込む時はほとんどのバスは前方のドアにチケットの読み取りマシンが付いている。トラベルカードやカードタイプのデイチケットを持っている場合はマシンでスキャンすればよい。
携帯アプリのチケットや紙のチケットは運転手に見せればよくて、チケットを持っていない場合はちょっと高いけど運転手から購入できる。

地下鉄は読み取りマシンはエレベータやエスカレータの前についていることが多い。ごく稀にホームに入るところについている駅もあった気がするけれど、基本的には先にスキャンしておく必要がある。
それからチケットマシンも読み取り機のそばにあることが多いかな。
定期券を持っている場合は特に毎回スキャンしなくて良い模様。チケットチェック何度かされているけれど、定期券をスキャンしてなくて問題だったことはない。

電車の場合は車内にチケットの読み取りマシンがついている。空港もそうだけどホームにチケット読み取り機がないので、電車に乗り込んでからスキャンすることになる。カードタイプのデイチケットの最初の時とか、スキャンする必要のあるチケットは忘れずにスキャンしておく必要がある。

というわけでバス以外はチケットなしで乗り込めてしまうのだけど、もちろん職員によるチケットチェックがそこそこ頻繁にある。チケットなしで乗り込んでいると問答無用で80ユーロ払わなければならない。

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国による労働環境の違い 〜四カ国働いてみた感想

日本も含めればアメリカ、フランス、フィンランドと四カ国で働いてきた。 ポスドクをこれ以上することもないだろうし、この機会に各国の労働環境について考えて見ることにした。 この投稿では特に労働時間や休暇などに絞って書いていきたい。 研究への取り組みなどは、チャンスがあれば後ほど別の投稿にまとめる。
ポスドクはそもそも結構特殊な職業であるし、個々の研究所大学などによる労働環境の違いももちろんある。 それも踏まえた上で自分のこれまでの就労の中で感じた違いをまとめておこうと思う。

日本の労働環境

給料をもらっていた博士過程と無給の研究員をちょっとという経験。 働いていたといっていいかは微妙なところではある。 と書いていてふと思ったけど、PhD studentレベルが無給で勝手にやってくる日本ってやっぱりすごいな。 それが日本の科学を押し上げてもいるし、端々にガタが来る原因にもなってしまうのかしら。
日本の大学は学生の滞在時間は自由だった。 教授も結構遅くまで働いていたりしたし、好きにやっていた感じ。 長く働いてても文句はいわれないが、短いとボスに注意くらいはされると思う。
しかしタイムマネージメントのシステムは一切なかった。 裁量労働制というものだ。 自分で適当に切り上げるのがうまい人にはいいかもしれない。 同僚の中国人ポスドクなんかはこのシステムの中でうまいことやっていた。 一方私はこのマネージメントが少しずつうまくいかなくなって失敗した
とはいえ最終的にPhDが取れたのだから、周りのサポートしてくださった方々には感謝。

アメリカの労働環境

ポスドクひとつ目。
アメリカというか国立研究所だからかな、仕事時間は8−5くらいでとてもかっちりしてた。 装置のエンジニアとかは6−3とかだったが。 休憩時間を抜いて1日8時間縛り。 必要があれば時間外に実験することはもちろんあったが、働いた時間分は週内くらいで振替の時間休をとっていた。
働きすぎているとそれとなく注意が来る。 はたらいてないほうは注意のあとで首になると聞いたが、近場にそんな人がいなかったので実際のところはわからない。 ここもタイムカードは自分でオンライン入力するだけだったが、周りが誰も働いてなければ自然と帰るものだ。 あと時間外の単独労働は禁止だった。

私のボスは結構お偉い人だったが、彼も8−5時できっちりラボでの仕事は終えていた。 忙しい時期には家に帰ってから論文の更正をしてくれたりしていたので、部下のための家での残業は少ししてくれていたけど。 基本的にアメリカは時間内でかっちり仕事を終わらせることに美徳がある印象(アジア系のボスとかだとそうでもなかったりするが)。

有給休暇は年14日だったかな。 有給休暇に加えて病気休暇は保証されていた。 フランスなどに比べるとだいぶ少ないが、しっかり使い切ることができるし翌年度への繰越もできる。 あと確か常勤になると少しは増えたはず。

かっちりしている上にそれとなく過剰労働への予防線を張っていた。 仕事の効率や働きやすさのバランスがとても良い国だと思う。

フランスの労働環境

ヨーロッパに移ってポスドク二つ目。
フランスも研究所ではあったけど大学内の機関。 学生がいっぱい。 フランスはアメリカに比べると良くも悪くもいい加減。
朝それなりにゆっくり来る人もいれば、夜型の人も。 ここだけみると日本と同じにも見えるが、そんなことはない。 職場に来てたって、朝のコーヒー、長いランチ、食後のコーヒーなんてしてるのだから別にたいして働いているわけではない。 がしかし最後には仕事をキッチリ仕上げてくるのだからよくわからないところだ。 集中力の使い方がうまいのかな。  有給は年一ヶ月とチョイ。 有給使いきらないとボスに怒られたりする。
私の性格にはフランスという国の働きかたは馴染まなかったが、人によっては離れがたい魅力があるそう。 フランスも自分でマネージメントができる人向けかな。 働きすぎとるいう意味ではなく、仕事の成果をある程度出すためにという意味で。 私生活も仕事も楽しさが一番というタイプの人にはあっているのかな。

フィンランドの労働環境

ヨーロッパ二カ国目。 大学のポスドク。
ヨーロッパだが雰囲気はフランスよりアメリカな印象を受けている。 うちの大学の場合一般職は一日7.35時間と決まっている。 研究職は一年1624時間と決まっており、それをどう使うかは個人の自由だ。 1624時間は1日8時間で203日。 週末以外が260日で15日の祝日があるので、やはり1ヶ月ちょいの有給休暇ということになる。
アメリカと同じく時間外、週末の単独労働は禁止。 もちろん学位論文の提出が近いなどで遅くまでいる学生もいるが、基本的にはみんな定時で帰っている印象。
フィンランドのシステムもとても好き。 年に一定時間しか働けないので、 過剰労働はまあしない。 かといって忙しい時期にはしっかりと時間を使える。 またこの時間しか働けないとなると、いかに効率的に時間を使うかを考えないといけない。 だらだらと働くよりはよっぽど良い。 良いところどりというほどではないが、アメリカとフランスの間に位置している印象。 バランスが良い。

まとめ

という感じの四カ国就労体験談でした。 今のところ定職につくならフィンランド、次点でアメリカという感じかな。 とはいえもう一カ国くらい試してみたいと思っている私は、あまり研究職には向いていないのだろう。 普通海外で就職するなんて人はやりたいことで場所を決めるものだろうけど、ちょっと働く労働環境を変えてみたいなと思っている人の参考になれば幸いだ。

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フィンランドの移住手続き 〜住民登録・税金KELAカード

フィンランドの住民登録

フィンランドに移住したらまずは住民登録をする必要がある。 ヘルシンキエリアのあたりだと、外国人の受付をしているのはヘルシンキの支所だけになった模様だ。 市内の中心にあるのでアクセスは簡単。 バス駅の中心kamppiから歩いて10分くらいのところ。

さて外のドアから入ると、左手側に住民登録オフィスがある。 ドアをくぐると、順番待ちの番号札を取る自動マシンがある。 少しわかりにくいが、画面タッチパネルの赤いボタンを押すと番号札が出てくる。

順番になったら番号が表示されている窓口に行く。 パスポートと滞在許可証を渡すと、住民登録申請用の用紙をくれる。 後ろの席で記入するように言われるので、5分ほどかけて記入。 また書き終わったら同じ窓口に戻ってくれば良く、番号をもう一度取る必要はないと教えてくれた。 フィンランドの人は何かと丁寧なのだ。

用紙に名前住所などを記入して持って行くと、ちょろっと書類を確認しておしまい。 二・三週間で登録が終わり書類が手紙で送られてくるとのことであった。

フィンランドの税金・社会保障カード

こちらもヘルシンキにオフィスがある。 こちらはバス駅kamppiから出て1分ほど。 建物に近づくとすぐ目につくオフィスではなく、奥に入って行ってエレベーターを2階に上がったところにあるオフィスだ。 入り口から入っていくと受付の人がいる。
午前中のオフィスが閉まる15分前くらいに訪ねたので、お昼休憩の後に出直してくれとのことであった。 とはいえお昼休憩はそんなに長くなかったので、外に出てご飯を食べて来たらすぐだったが。

さて社会保障カード(kela)と税金の申請用の書類は、受け付けの人からもらえる。 社会保障カードの方は記入が終わったらその受け付けの人に渡せば、申請手続きをしてくれる。
私の1年の就業契約の申請条件だと私は社会保障に加入できるが、嫁と子供が入れるかはかなり怪しいとのことであった。 ただやってみないとわからないとのことで一応嫁のものも申請してくれた。 子供のものは滞在許可証がまだなかったのであとで。 こちらも無事KELAカードが発行されたら、郵送されてくるとのことであった。

税金の方は番号札を取って待つ必要がある。 1組みあたり30分程度かかっていた上に窓口が一つしかなかったので結構待つ必要があった。 基本的にはこちらの仕事の契約書類を見て情報を記入していくだけであるが、それが結構大変みたいだ。 忙しい時期はたぶんもっと窓口が開いているのだろう。
私はフランスから来たので税金の減免がフランス政府との協定であるかもしれないとのことを教えてくれた。 ただしフランス側から正式な書類をもらわないといけなくて、元の職場に問い合わせているが結構な時間がかかりそうな感じだ。

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フィンランドでの住宅保険・ホームインシュランスの入り方

フィンランドでは自分でアパートを借りる大抵の場合、住宅保険・ホームインシュランスに加入する必要がある。 ちなみにフィンランドでのアパート探しに興味がある方がいれば少し前に書いた投稿をご覧いただきたい
住宅保険は、火災や水漏れ用の保険・家具の損傷や盗難保険・その他もろもろが一緒になったものである。 ルームシェアなどで部屋を借りる場合は、先住民が先に契約しているかもしれないので確認が必要。
私の場合はちょうど銀行口座の開設をしにnordea bankに行くことがあったので、銀行提携の住宅保険会社の紹介をしてもらった。 大家から銀行経由だと少し割引が効くだろうという情報をもらったからだ。

銀行訪問の翌日保険会社から電話がかかってきた。 向こうはNordeaからの連絡でかけてきているので、まずはこちらが本人であるかを確認したいそう。 名前や住所などを伝えて、向こうが持っている個人情報と同じであるかを確認してもらった。
そのあとは保険の内容について説明を受けた。 電話なので一通り聞くのがなかなか大変といえば大変だったが、住宅保険に必要なベーシックな内容は全て含まれていることが確認できた。 システムは150€は自腹で払って残りを保険会社で払ってくれるというもの(アメリカで言うディダクタブルってやつ)。
部屋の情報は向こうが既に持っているので、値段はそれに応じて算出されたようだった。 一年で176€のところをnordea紹介の割引をつけて159€であった。 あとは契約書を送るから中身を見て決めてくれとのこと。 ただしフィンランド語でしか作れないから、内容はフィンランド人をとっ捕まえて聞いてくれとのことだった。

契約書は翌週アパートまで送られてきた。 契約書を大学に持って行き、博士課程の子に内容を確認してもらった。 それによると電話で話してもらった内容とまあ同じであるようだった。 車保険などとは異なり大した値段ではないので、あまり悩まずそのまま契約することにした。

契約の締結は電話で大丈夫とのことであったので、契約書類にかかれていた番号に電話をかけた。 名前と住所を伝えると、契約待ちの保険があることをすぐに確認してくれた。
引き落としをしたい銀行口座にお金が入っていなかったので、契約料金の引き落としがいつになるかだけ確認をする。 締結日から2週間以内に、払ってくれれば良いとのことであったので問題無し。 その場で契約することを口頭で伝え契約はおしまい。 保険の約款は後ほど郵便で送ってくれるとのことであった。

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