フランスで妊娠・出産7 〜出産入院・持ち物リスト

フランス病院出産に持って行く持ち物リストの備忘録。

    1. パスポートなどのID証明
    2. 二人の戸籍(フランス語翻訳付き)
    3. 保険証(carte vitale)、保険会社の保険(mutuelle)
    4. 滞在許可証(carte de sejour)
    5. 嫁の血液型証明書(ラボラトリーで貰える)
    6. 超音波検査とその他検診の結果
    7. 赤ちゃんを社会保障に加入させるための申請書(保険会社から貰える)

続いて、赤ちゃん用品だがこれは日本でも大体同じであろう。

赤ちゃん用持ち物リスト

出:出産用 入:出産後入院用

    1. 下着(出:1着、入:6着)
    2. パジャマ(出:1着、入:6着)
    3. セーター(出:1着、入:4着)
    4. 帽子 (出:1つ、入:2つ)
    5. 赤ちゃん用寝袋 (入)
    6. おむつ一袋 (入)
    7. コットンのおしりふき (入)
    8. 赤ちゃん用体温計 (入)

その他、靴下・タオル・お風呂の温度計・退院用のお洋服などなど

    また出産後の母親用の用品

出産母親用持ち物リスト

    1. 水のスプレー (初)
    2. 産褥ナプキン (後)
    3. 使い捨て下着 (後)

その他、パジャマ・生理用品などなど

    上記はグルノーブルアルプス病院(CHU grenoble alpes)での必要リストである。 病院ごとに必要なリストはやや異なる。 最後に、嫁が自分で調べて追加で用意したもの。

追加持ち物リスト

  1. 授乳後用のクリーム (後)
  2. 授乳後用のコットン胸パッド (後)
  3. 陣痛判定用の痛み止め (後)
  4. ドライシャンプー (後)

実際に使ったもの、もっと用意が必要であったものについては後ほど追記する予定。

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フランスで妊娠・出産6 〜8回の妊娠・出産無料講習

内閣府のホームページなどで確認できるが、フランスの出生率は高い。 日本に比べて高いのは当然として、他の先進国と比べても高くなっている。 ちなみに意外なことに日本の出生率はアジアの国の中ではそんなに悪くないようである。
さてフランスの出生率の高さには様々な要因があるのだろうが、充実した妊婦への支援がその一つの理由になっていることは確かだろう。 フランスの妊婦は6ヶ月目からの無料の妊婦健診に加えて、無料の歯科検診、そして8回の無料の出産のための講習があるのだ。

ちょうど嫁の8回の講習が終わったので、講習について簡単にまとめてみたい。 この講習への参加は、病院の助産婦から3回目の検診の際に紹介された。 病院の助産婦がちょうど英語が話せる助産婦を知っており、1対1での英語での講習を受けられることになったのである。
前情報を何も持たずにその助産婦を訪ねてみたところ、講習は1回一時間のようであった。 初回の講習では、私たちの健康状況の確認、また私たちからの質問に答えていただいたりした。 残りの7回の予約もその時にしたのだが、私たちの場合妊娠後期にさしかかっていたため、週2回のペースの駆け足で行うことになったのだ。
ちなみに旦那の参加はもちろん歓迎されるのだが、タイミングの悪さもあって2回しか参加することはできなかった。 しかし私の参加するときに合わせて、旦那に必要な知識を講習するように取り計らってくれた。 講習の内容は以下のようである。

  • いつ病院を訪ねるか、陣痛の感じ方・兆候など
  • 授乳について
  • 当日出産がどのように進むか、
  • 呼吸法・バースボールの使い方
  • 出産が順調にいかない場合の対処法
  • 出産時に赤ちゃんを押し出す為の方法
  • 出産後の回復や体の変化

毎回、助産婦は丁寧に質問に答えてくれたし、質問をできるだけ準備してくるようにと言ってくれた。 たとえば嫁はフランスでの病院での出産に何を持って行く必要があるかということを念入りに聞いていた。 助産婦はとてもよくグルノーブルアルプス病院での出産について知っていたし、英語で丁寧に説明してくれたので本当に有意義であった。 講習については嫁の英語版の方にもう少し詳しく書いてあるので合わせてご覧いただきたい。
私が参加した際には、旦那が出産の際に直接できることはあまりない。 しかし、実際に旦那のサポートはとても重要だということを教えてもらった。 具体的には、出産時に冷静に状況を見られるのは旦那だけなので、講習で習った様な呼吸法や動きがうまくできているかを確認することなどだ。 またバースボールでの運動やマッサージを、夫婦二人でする方法などを教えてもらった。

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フランスで妊娠・出産5 妊娠の届け出とCAF

フランスでは妊娠をしたらCAF(caisses d’allocations familiales)に届け出をすることになる。 CAFは社会保障システムの一部で、届け出をすることで様々な公的補助が受けられるのだ。 規則では妊娠14週までに届け出をしないといけないことになっている。
が、これはその後にフランスに入国している私たちにはもちろん不可能な日程だ。 私たちが届け出を出したのは、助産婦との2回目の検診の後であったので、大体25週を過ぎたくらいの頃であった。 どういう条件によるのかはわからないが、事情があれば14週までというのは絶対の規則ではないようだ。 妊娠中にフランスに移住する方は、この手続きについて心配する必要はないだろう。

さて申請方法であるが、まず助産婦との最初の面談の時に届け出用紙(nous attendez un enfant)を受け取った。 この書類に記入する重要な情報は、妊娠開始日である。 なので最初の超音波検査の際に、正確な妊娠開始日の予測をしてもらい、その日付を書類に記入してもらう。 それから助産婦との2回目の検診の時にその書類にサインをしてもらう。 最後に個人情報などを記入して、そのうちの2部をCAFに郵送した。 残りの1部は保険会社に送る必要があるので、個人用に取っておく必要がある場合はコピーを取っておくと良い。

郵送してから2週間ほど待つと、CAFから個人番号が郵送されてきた。 それからしばらくの間、嫁は苦労しつつCAFと書類のやりとりをしていた。 CAFが追加で要求してきた書類は下記のとおりなのだが、なぜだか1度に要求するのでなく一つずつ別の手紙が送られてきたのだ。

  1. もう少し詳しい個人情報
  2. 出生証明書(嫁の戸籍、フランス語翻訳付き)
  3. 一昨年の収入状況(嫁と私のもの、特に証明する必要はない)
  4. 滞在許可証のコピー(嫁と私のもの)

 

最近になってようやく全ての書類のやりとりを終えることができた。 私たちの場合、いくつか情報誌のようなものをCAFからもらったが、それ以外のベネフィットは特には受けられないようだ(基準が一昨年の収入状況によるため)。
出産後には何かあるのかもしれないが、私たちはフィンランドに移住することになっている。 とりあえず登録だけはしてみたのでその方法を備忘録代わりに書いておいたが、実際に受けられる社会保障については他の情報を当たっていただきたい。

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フランスで妊娠・出産4 〜検査機関・薬局

フランスの医療システムでは、最初に総合医であるホームドクターのお世話になる。 保険システムの都合、最初から専門医にかかると保険での払い戻しが少なくなるのだ。 また専門医との予約を取るのも、ホームドクターを介しての方が予約が早く取れたりするそうだ。 しかし妊娠の場合で、直接総合病院に行きたければ特にホームドクターを介する必要はない。 私たちは直接グルノーブルアルプス病院に予約をとり、助産婦との検診を行ってきた。

さて、病院での検診をしていると血液検査・尿検査などを指示される場合がある。 フランスではそのような検査をするのに、病院と検査機関(ラボラトリー・laboratory)が別になっていることがある。 また、病院の近くや中に付属している場合もあるが、その場合でも別に他のラボラトリーに行っても問題はない。
私の嫁の場合は、まず助産婦からどのような検査を行うかという詳細が書いてある処方箋(病院のスタンプと助産婦のサイン入り)を受け取った。 そして家の近くのラボラトリーに行き、その処方箋と保険証を受付に渡して検査をしてもらった。 検査結果はラボラトリーまで取りに行っても良いし、オンラインで確認することもできる。

ラボラトリーと同様に薬局も独立した機関だ。 これは最近の日本のシステムと一緒だろう。 薬局はグルノーブル市内の至る所にあるので、どこに住んでいてもアクセスには困らない。 同様に助産婦や医師に処方箋を書いてもらい、保険証と一緒に見せると薬を出してくれる。 薬の保険による払い戻しの割合はまちまちだ。 私の嫁の場合ビタミン剤や鉄剤などは100%の払い戻しだったが、痛み止めのような薬は15%だけしか払い戻しがされなかったようだ。

フランスでの保険証の発行はかなりの時間がかかるが、最初に送られてくる仮の番号さえ手に入れば、簡単に払い戻しを受けることができる。 また保険番号が手に入る前でも、しっかりと書類を受け取っておけば後々払い戻すこともできる。
しかしフランスあるあるシリーズの人次第。 人によっては、保険証(緑のカード)がないとそもそもダメだと思っている人がいたりするし、よく保険発行の手続きについて知っている人もいる。 私の嫁は最初にラボラトリーに行ったときは、保険を受け付けてもらうのにしばらくの時間を要した。 また薬局でも同じように苦労をしたそうだ。 うまくいかない時は他の詳しい人を呼んでもらうか、またはすっぱり諦めて別の薬局を当たってみると良いかもしれない。

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フランスで妊娠・出産3 〜超音波検査・エコグラフィー

さて、助産婦からの指示を受けて、フランスでの初の超音波検査(echography)をすることになった。 フランスでの超音波検査は3度だけとのことだ。 妊娠3ヶ月目に1度目、5・6ヶ月目に2度目、そして8ヶ月目に3度目を行う。 私たちは渡仏前に中国で3回ほど超音波検査をすでにしてたが、フランスでは5・6ヶ月目の2度目から行うことになった。

さて超音波検査だが、グルノーブルアルプス病院(CHU grenoble alpes)で行うことができる。 なので前回の助産婦との検診の後に、受付で問題なく予約を取ることができた。 超音波検査の目的は正確な出産予定日の確認と、胎児に異常が見られないかの確認のため。 今回の超音波検査は検診の助産婦とは別の助産婦が担当し、また大学病院であるためインターンの学生が一緒に同席していた。 その学生が英語が得意だったので、私たちにとってはラッキーであった。

超音波検査は、30分ほどかけてゆっくりと胎児の様子とサイズの確認を行った。 見ている場所を変えるたびに見ている場所について説明をしてくれたので、超音波画像でもなんとなく理解することができた。
そして、その途中で唐突に赤ちゃんの性別を知りたいかを尋ねられた。 私たちはまだ性別を知らなかったので、せっかくなので教えていただくことにした。 その結果は・・・男の子であった。 ちなみにフランスでは基本的に教えるのが普通のようなので、知りたくない場合はむしろ先に伝えておかないといけない、との友人談であった。 また、いくつかの画像から合成した3D表示の赤ちゃんの顔も作ってくれた。
最後に、10数枚の赤ちゃんの超音波写真と一緒にレポートを私たちに作ってくれたのだが、なんと再検査が必要だということであった。 どうやら、赤ちゃんのポジションの都合、全ての必要な写真をとることができなかったというのが一つ目の理由。 もう一つの理由が、私たちの提供した情報から推測されるよりも、赤ちゃんのサイズが少し小さいということであった。
というわけでやや緊張しつつも、1週間後に2度目の超音波検査をしにグルノーブル病院を再訪した。 2度目の超音波検査の結果に加えて、中国で行った最初の超音波検査のフランス語翻訳を見せたところ、結局最初の予想出産日が間違っていたということであったのだ。 というわけで、無事赤ちゃんが育っていることがわかり、私たちは安心することができたのである。 妊娠途中でフランスの病院に移る場合は、元の国での検査結果のフランス語翻訳を作っておいた方が話がスムーズに進むだろう。

3回目の超音波検査は、33週目に同病院にて。 2回目と同じくらいの時間をかけて、再び全身のサイズの測定を行った。 サイズから推測される体重は約1900g、この時期の赤ちゃんとしては標準のサイズである。 また赤ちゃんのポジションも、下向きであったため問題はなし。 後は出産を待つのみである。。。

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フランスで妊娠・出産2 〜助産婦との定期検診

助産婦、英語ではmidwife、フランス語ではsage-femme。

グルノーブルアルプス病院の訪問と登録

前回の投稿で書いたように、出産のための病院をグルノーブルアルプス病院(CHU grenoblel alpes)に決めて検診の予約を取った。
当日は、若干道に迷ったりしつつも時間通りに病院にたどり着くことができた。 病院の総合案内に待合室を聞いてみるが、その日の担当の人はフランス語しか話さないようであった。 とはいえ身振り手振りを交えつつ親切に受付の方法を教えてくれたので、十分に理解することができた。
まず最初に受付カウンターに行って個人情報を登録する必要があるそうだ。 チケットを自動発券機から一枚抜き取って、受付番号を手に入れる。 そしてその番号が呼ばれたら、カウンターに行きパスポート情報・保険番号など必要情報の登録を行った。 この受付カウンターでは英語が話せる職員がいたので、比較的楽に受付を済ませることができた。
これで無事に嫁の保険が登録することができたので、病院費用は保険でまかなうことができることになったのだ。 フランスでの妊娠5ヶ月目の病院費用は、社会保障で70%がカバーでき、保険会社の補完保険に入っていれば残りの30%がカバーできる。 ちなみに、六ヶ月目からは全額が社会保障だけでカバーされる。 情報の登録が済んだ後、当日の検診額が支払い済みであることを証明するバーコードをもらった。

助産婦との初めての検診

さて、検診の待合室はすぐ近くであり、簡単にたどり着くことができた。 ちなみに何度か通った印象では、受付の人で英語で対応してくれる人は半分よりやや少ないくらいかなと思う。 もちろん、簡単なフランス語と身振り手振りでなんとかなってしまうことも多いし、困っていれば英語を話せる人を連れて来てくれる。
とはいえこの流れでは助産婦も英語を喋らなかったりするのかな・・・と少しドキドキしながら検診室に向かった。 簡単なフランス語での挨拶の後、私たちフランス語話せないよとつたないフランス語で伝えてみる。 すると、あんまり得意ではないけど、英語大丈夫だよとあまりなまりのない英語で話してくれた。 というわけで、無事英語での病院検診をスタートすることができたのだ。
とりあえず先ほど受付で手に入れたバーコードを助産婦に渡す。 たくさんのバーコードが1枚のシートに貼り付けてあったのだが、助産婦は全てのバーコードをシートごと回収した。

最初の検診であったため、助産婦からは多くの質問があった。 その多くは私たちと私たちの家族に関する病歴などに関する質問であった。 病気系の単語は英語でも意外と知らないこともあるので、先に少しチェックしておくと良いかもしれない。 それから、嫁の血圧や体重などの簡単な検査をした後、胎児の心音を確認した。
検診の終わりに、別の検査機関(laboratory)で必要な検査を受けてくることと、同病院でのエコグラフィーの予約を取ることを指示されてその日の検診は終わった。

その後月一度のペースで助産婦との検診を行うことになる。 2回目からは、どのように待合室に来るかはわかっているので、速やかに手続きを済ませることができるようになった。 また、六ヶ月を超えて検診に行った時に、受付の人がバーコードにピンクのシートを貼ってくれた。 次からは直接そのバーコードシートを持って助産婦や医師の待合室の方に行って良いということであったのだ。 これは、六ヶ月目からは検診費が全て社会保険でカバーされるため、支払いの受付をする必要がないからだろう。 この日からは助産婦は、バーコードをシートから1枚ずつだけ回収するようになり、また次の検診からもそのシートを忘れずに持って来る必要があった。

助産婦との定期検診ですること

助産婦との検診では、問診・体重測定・血圧測定・お腹のチェック・胎児の心音測定・別の検査機関での血液検査の検討、などを行う。 こちら側からも、最近の嫁の体調や赤ちゃんの様子の変化などを伝える。 そうすると助産婦が、体調に応じたサプリや薬などを処方してくれるのだ。 私の嫁の場合は貧血があったため、鉄剤の処方を毎回してもらっている。 冬の時期の妊娠であるためか、ビタミンDの処方が一度だけあった。
あとは妊娠糖尿病のチェックを血液検査(初回)と、尿検査(各月)で行ってきた。 フランス特有なのは、トキソプラズマのチェックだ。 日本でも感染する可能性はあるだろうが、フランスの場合は成人女性の抗体所有率が半分以上ということだ。 つまりフランスで生活していると、トキソプラズマに感染する確率が結構ある。
私の嫁は初回の血液検査で陰性であることがわかったので、その後は生野菜や生ハム、スモークサーモンなどの摂取は控えるようにして、牛肉などもしっかりと火を通すようにした。 また、私たちの住居の裏庭にはよく猫たちが訪問するのだが、猫好きの嫁には悪いが接触を控えるようにお願いした。 最終血液検査まで陰性を保つことができたので、ひとまず安心というところである。
その他には、妊婦向けのクラスの紹介や陣痛が来たらどのように対処すれば良いかなどなど、親切に教えていただけた。 この助産婦とCHUグルノーブル病院のおかげもあって、今の所全て順調である。

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フランスで妊娠・出産1 〜病院選択

私たちがフランスに渡航した当時、嫁は妊娠五ヶ月ほどであった。 なのでフランスに家族揃って渡航できるのかどうか、その時は不安を持ちつつ渡航準備を始めたのを覚えている。
まず気になったのが、妊娠中の飛行機が大丈夫なのかという点。 いろいろと調べた結果、安定期に入っていたらフライト自体は問題なさそうだという意見が多かった。 もちろん普段より疲れやすかったり、環境にセンシティブであったりするので、万全のケアが必要だ。 航空会社の方でも、早めに搭乗できるなどの妊婦へのケアを行ってくれる。 私たちは飛行機内で少しでもリラックスできるように、最後部座席の方の二人がけのシートを早めに予約した。
とはいえフランスまでの長時間のフライトであり、時差ボケもあったので旅行後の嫁はだいぶ疲れていた。 妊娠中の長距離移動は避けられるに越したことはないだろう。
フランスに入国後、別記事で既に書いた様に保険問題をクリアした。 そこで次なる問題は、検診や出産の病院をどう決めるかということだった。 フランスの医者のシステムは、まずホームドクターにかかる。  それから必要があれば専門医に紹介してもらうことになるらしい。 らしいというのは、この方法ではまだ病院のお世話になっていないからだ。

さて、私たちが病院の情報を集め出すと友人達が様々な情報をくれた。
職場のボス「北病院に直接行くのがベスト。 彼らは英語が話せるし、いろいろ面倒が少ない。 」
職場の先輩「私は別のとこで産んだけど、外国人だったら北病院が一番だったって後で言われた」
職場の大ボス「わしの孫は北病院で助産師をしていた、英語の翻訳サービスもあるらしいぞ」
大家夫婦「クリニックが綺麗だからいいのでは? 知り合いの知り合いの産婦人科紹介しようか?」
大家の義理の息子医者「北病院。 総合病院だったら何があってもすぐ対応できる。施設はクリニックのが良いけどね。」

というわけで、四対一で通称北病院にお世話になることにした。 利便性よりも確実性を取りたかったというのもある。 ほかの私立病院などと公立病院の詳しい比較は、嫁が英語版の方で詳しく書いているので参考にしてほしい。
北病院は通称の様で、正式にはユニヴェルシテール・グルノーブル・アルプ総合病院(CHU,centre hospitalier universitaire Grenoble Alpes)、大学病院だ。 メインの建物はトラムB線のミシャロン(michallon)駅側にあるが、産婦人科専門の建物が同B線のラトロンシュ(la tronche)駅から降りてすぐの場所にある。

英語を喋れるという情報に気を大きくして、さっそく予約を取ろうと電話をかけてみた。 ところが・・・フランスあるあるの一つ、どんなに英語を喋る人の多い機関でもなぜか電話受付の人は英語を話さない、にヒットしてしまう。 なんとかつたないフランス語を使ってコミュニケーションを試みるが、理解できた単語を並べると、フランス語喋れる人を探してきてねってことであった。 なので、職場の同僚に電話予約を代理でしてもらうことにした。
その後話はスムーズに進んで、無事同病院に予約をとることができたのだった。 ちなみに、大学病院の産婦人科の場合ホームドクターからの紹介などは必要なく、直接予約を取ることができた。 嫁は現在もこの病院に通いつつ、まもなく出産を当病院で迎える予定である。 少し長くなってきたので、他のトピックは別記事にまとめることにする。

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海外旅行記・グルノーブル 〜3600mからのスキー

私は学生の頃からグルノーブルに来る機会が多く、スキーシーズンにもなんどか訪れた。 しかしスキーに行こうと思うたびに、記録的な暖冬であったり、インフルエンザにかかってしまったりなどして、断念を余儀なくされてきたのだ。
今回の滞在も嫁が妊娠中であり、スキップすることになるかなと思っていた。 しかし私の父がグルノーブルまで遊びに来てくれるということになった。 このチャンスを逃すまいとスキーに行くことにしたのであった。

グルノーブルのスキー場

さてグルノーブルだが、1968年の冬季オリンピックを開催した都市なだけあって、良いスキーリゾートがたくさんある。 せっかく父が日本から来てくれるのだから、ベストのところに何泊かしてスキーをしようと情報を集めるが、これがなかなか難しかった。
現地民にとっては、日帰りバスで全部いけば良いのでは?・・という認識だったからだ。 とりあえず大きめの、ドゥエズ(d’Huez)とドゥザルプ(les deux alpes)を候補にして、スキー場の様子とホテルの感じで決めることにした。

ドゥザルプ(les deux alpes)への移動やホテル

ドゥザルプ山頂からの眺め

ドゥザルプ山頂からの眺め

結論から言うと、私たちはドゥザルプに行くことにした。 理由としては、山頂周りの景観が絶景とのことだったからだ。 ゲレンデのレベルはドゥエズの方が良いという友人の意見もあったが、良いゲレンデは日本にもたくさんある。 アルプスの雄大な山々に囲まれてスキーをする方が、他国では得難い体験になると思ったのだ。
当日はグルノーブルのバスステーションから、Transaltitudeのバスを使って、一時間半ほどでドゥザルプにたどり着いた。 私たちはのんびりと十時半くらいのバスをとったが、良い時間のバスを取りたかったら早めにバスの予約を抑えておく必要がある。
ホテルは割とリーズナブルで、ゲレンデ直通の立地からトュラン(Hotel Turan)を選んだ。  現地のレンタルやレストランの割引券をくれたり、親切に英語で説明してくれたり、チェックアウト後に営業時間外のレストランのトイレを開けて貸してくれたり、サービスの良いホテルであった。 部屋はスキー場のホテルとしては十分清潔だし広さも十分。 朝食も結構チョイスがあって良い感じ。。
レンタルスキーは、ホテルのお隣のJMSPORTSでレンタルをした。 結構良い板を借りることができた。

ホテルトゥランの部屋から

ドゥザルプ(les deux alpes)のゲレンデ

さてスキー場であるが、一言で言うととても素晴らしかった。 二月のベストシーズンの天気の良い週末だったので、やや混雑していたが気になるほどではない。 ゴンドラリフト二本と短いリフトを乗り継いで3600mの頂上までたどり着けば、そこはスキーリゾートの中とは思えないような絶景であった。
実は初日は風が強くてゴンドラの先は短いリフト一本だけだったのだが、2日目に来た時は天候が回復し、さらに二本ほどリフトを乗り継いで、その先の頂上までたどり着くことができた。 頂上から一気に滑り降りるとどのくらいかかるだろうか・・・高低差2000メートルのコースを一気に滑りおりることができる。 このスキー場の良いところは、頂上まで行ってもほぼ初心者・中級者コースだけで下まで降りてこられるので、ある程度滑れるようになったら簡単に頂上に挑戦できることだ。
この日は暖かく標高の低いところの雪質はあまり良くなかったが、標高をあげれば雪質は最高であった。 ドゥザルプでは標高の高いゲレンデは、四月の終わりまでスキーを楽しむことができるそうだ。

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フランス食生活

短期の海外旅行をする場合は、現地の有名どころのレストランを調べて、毎日美味しい食事をするという方が多いだろう。 しかし1ヶ月も超えるような滞在になってくると、少しずつ飽きがくるものだ。 惣菜などを買って食べることもできるが、少しずつ和食なり醤油系の味が懐かしくなったりする。
そういうわけで、日本にいた間はあまり自炊はしていなかったのだが、アメリカ生活を始めてから自炊をするようになり、フランスに渡って自炊歴もなかなか長くなってきた。

グルノーブルのスーパーマーケット

さて、今回はフランスというかグルノーブルで自炊するとなると、どういったものが手に入るかということを考えて見たい。 まず調味料だが、醤油は普通のスーパーでも買える。 グルノーブルのスーパーは小さなアジア系のコーナーがだいたいどこでも付いている。
みりんや味噌、米酢、料理酒、ごま油なんかは、アジアマーケットに行った方が簡単に手に入るだろう。 アジアマーケットはグルノーブルにはいくつかあって、グルノーブル大学の近くに割と大きめのお店(Le Carré Asiatique)があるためよく利用している。
白だしとかもうちょっとスペシフィックなものが欲しかったら、街中のお膳やさんに行くと良いと思う。 私が学生の頃に3ヶ月ほどグルノーブルに来た時は、何かと色々日本から持って来たのを覚えている。 今はよっぽど拘りがあるものでなければ、調味料系統を日本から持ち込む必要はないと思う。

ファーマーズマーケット

近所の小さなファーマーズマーケット

フランスで手に入る野菜

食材に話を移す。 鍋での米の炊き方の投稿にも書いたが、昨今米は美味しいものが手に入る。 私たちはみのりというあきたこまちを使っているが、他の幾つかも見た目は良さげであった。
野菜は普通のスーパーだと、手に入らないものもあるが、最近は白菜なんかは普通に売っている。 太めの大根、細身の茄子、もやし、キノコ類なんかは、アジアマーケットに行って買っている。 フランス系のスーパーでは、キャベツ、人参、ジャガイモ、アスパラガス、トマトなどなど。
またファーマーズマーケットがいたるところにあるので、新鮮な野菜や果物を買うのに良い。 ファーマーズマーケットでは、カゴに野菜などを入れてキャッシャーに持って行くと、重さを計って清算してくれる。 ちなみに、うちの近くのファーマーズマーケットのお兄さんは英語が達者であったので親切に説明してくれた。

フランスで手に入る肉などタンパク質

肉は、豚肉(porc)、牛肉(boeuf)鶏肉(poulet)に加えて、うさぎ、(lapin)、子牛(veau)、羊(agneau)、鴨肉(canard)などなどが普通のスーパーで売ってたりするので、肉の選択肢は広い。 ただ、割と普通の鶏モモとかを見つけるのが大変だったりもするが、近場のスーパーではカルフールシティーで売っていた。 あとは味のついていない豚ひき肉なども見つけるのが大変だ。 普通のお肉は割と大きめのブロックで売っていることが多いので、お肉コーナーのあるお店で切ってもらうか、肉切り用の包丁とまな板を用意しておくと良いだろう。
豆腐は、グルノーブルのフランス系のスーパーでは見つけていないので、アジアスーパーに行った時に買うようにしている。 私は魚は鮭と白身の魚くらいしか調理しないのだが、大きめのカルフールなどに行くと結構いろいろな種類の魚が置いてある。 卵や牛乳などはなんとなく気を使って、少しお高いがBio表示のある製品を買うようにしている。

各種スーパーは、割引用のポイントカード(carte de magasin)を作ることができることが多い。 レジで支払いの前にフランス語で何やら聞いて来たらカードのことかもしれない。 私たちは携帯のアプリをダウンロードして、カードの代わりに使っている。

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フランス渡航手続き 〜健康保険

フランス渡航手続きの第二弾。

フランスで健康保険・社会保障を取得するための問題点

渡航用のビザ関係が全て済んだ後に、私たち家族にとって重要であり問題だったのが、健康保険への加入だった。 特に嫁が妊娠中であるため、検診や出産を考えると健康保険に入れないとなかなかの出費になる。 ちなみにグルノーブルの公立病院で出産手続きを全てやると6000ユーロほどの費用だったらしい。
いずれにしろ海外で長期間働く場合には、健康保険や社会保険への加入は必須であるだろう。 国や所属先、渡航期間などによって健康保険への加入手続きは違う。 例えば私がアメリカに渡航したときは国立研究所への就職であったため、契約書類にサインするだけで健康保険に加入することができた。 現在のフランスの就職先も、ちょっとした国立の機関であるため当初は保険契約に苦労するという想定はしていなかった。。

ところが保険契約をする上で問題になったのが、私の契約期間であった。 フランスでの仕事の契約は6ヶ月のみ。 なんとこの国立機関の契約している、保険会社は9ヶ月以上職務期間がある場合しか対応をしていないというのだ。 それではそういう場合の保険手続きがあるだろうと、ウェブサーチをしつつフランス在住の友人たちからも情報を集めてみる。 その結果、いくつかの方法が可能性としてはあるということと、同時に保険加入への道のりは思いの外難しそうであることがわかった。 私たちと似たような状況下で、保険契約を諦めて帰国を選んだという方のブログも見つかった。 一方で、フランスの良い方の適当さから、対応次第ではなんとかなりそうだと思わせるような友人の経験もあった。

いくつかのフランスで使える健康保険の候補

さて保険加入の方法であるが、まず日本から日本の保険会社と契約するという方法。 日本の会社だから契約や対応面では安心できるというのが利点だ。 難点としては契約料金はなかなか良い値段がするということ。 私たちにとって最も大きな問題だったのは、この契約の場合日本への帰国時期までの一括契約をしないといけないという点であった。 この当時フランス契約満了後の予定は未定であり、日本に戻って来るのは確実ではなかったのだ(実際にフィンランドに移住することが決まった)。 というわけで、6ヶ月で海外赴任保険を作ってみるということを考慮しつつも第一候補からは外すことになった。
次に調べてみたのが現地で民間保険に入るという方法であった。 いくつかの保険会社があり、外国人との短期契約が結べそうなところもありそうではあった。 しかしここで問題になったのが、私の嫁が妊娠中であったことだ。 契約中に妊娠する分には全くもって問題ないのだが、妊婦の契約は認めていないところが多かったのである。 ちなみに日本の保険会社と契約した場合でも、出産関係の費用が落ちるのかはわからない。 いずれにしろ、規定でダメとはいっていない保険会社がいくつかはあったので、それらの会社との契約交渉は候補に残しておいた。
この段階で最も可能性が高かったのはCMUへの加入であった。 基本的には無職や低所得者用の社会保険であるが、フランス国内からの収入がない場合や、止むを得ない事情がある場合などには加入できる可能性があるらしい。 職場のボスからこの状況ならばおそらく認められるのではないかという助言もあったため、CMUへの加入を目指すというのを第一候補としてフランスへの渡航をすることになった。

フランス渡航後の健康保険・社会保障加入の顛末

渡航の時点ではそういう事情であったので、健康保険に加入できなかった場合は、出産のために嫁が帰国することも視野にはいれていた。 だが、フランス渡航後状況が一変する。
職場にてスタートアップの書類の記入をしていたところ、人事から保険はどうなってるんだと尋ねられる。 CMUへの加入を試したいんだと伝えると、念のため所属期間の契約会社の方に電話をしてくれるというのだ。 その結果・・・なんと契約会社を通しての社会保険への加入の許可が出たのだ。 このチャンスを逃してなるものかと、その日のうちにオフィスへの訪問のアポイントをとり契約の締結にかかった。
実際のところ、オーケーが出たのは対応した職員の認識違いであり、ルールとしては6ヶ月期間では契約はできなかったそうなのだ。 職場のボスに同席してもらい交渉してもらった結果、一度許可を出してしまった以上、任意保険(mutuelle)に加入してくれるなら、契約をしましょうという提案をいただけた。 そういうことで無事フランスの社会保障システム(Sécurité sociale)と任意保険に入れることになったのである。
その後の手続きは嫁の英語版のブログに詳しく書いてあるが、必要書類や写真をそろえて保険会社に送ることで保険カード(Carte Vitale)を手にいれることができた。 手にいれるのが難しかった書類は戸籍の法定翻訳くらいだが、ここグルノーブルには日本人の法定翻訳家がいらっしゃるので、比較的迅速容易に手にいれることが可能である。 ちなみに各地の法定翻訳家のリストは領事館のホームページで確認できる。 保険カードが手元に届くまでは3ヶ月ほどかかったが、保険番号を教えることで保険を使い始めることができる。

フランスはとにかく人次第だ。 それによって物事がうまくまわらないこともあれば、今回のようにうまく行くケースもある。 ダメ元でもとりあえずお願いしてみるというのは試す価値があるだろう。 もちろん逆に失敗することもあるだろうから、そうなったときはそれはそれと笑い飛ばす心意気も必要ではあるだろう。。

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