国内旅行記・山形 〜トトロと入る赤湯温泉

時折私の両親に誘われて参加する青春18切符を使って行く温泉旅行。 山形は赤湯温泉へ。 この時は台風の時期で日程調整に苦労したのがなんとなく記憶に残っている。

鈍行列車を乗り継いで山形は赤湯駅へ

鈍行列車で東北に行くのはかなり時間がかかるのだけど、栃木の北のあたりからは電車からの眺めも良いのでなかなか楽しめるローカル線の旅になる。 宇都宮線から東北本線に乗り換えて福島駅まで。 私たちは福島駅でお昼休憩。 福島駅からは山形線に乗って、米沢で乗り換えを挟んで赤湯まで行くことになる。
この山形線は新幹線と同じ区間を走っているのかな。 米沢駅などではホームに新幹線を見ることができた。 しかし走っている線路は森林の中だ。
この区間の途中にある峠駅はなかなか有名。 倉庫に入って行く様な独特な外見が特徴だ。 赤湯駅にたどり着くと割と普通のホームだけど、隣にちょっとした土産物屋さんが併設されている。

赤湯駅から烏帽子山八幡宮へ

赤湯温泉の近くの烏帽子山八幡宮の鳥居

継ぎ目なし石造り大鳥居

赤湯駅から赤湯温泉街の方へと歩いて行くと、左手に烏帽子山八幡宮というなかなか良い感じの神社がある。 この辺りは桜が多いので、桜の時期に良さそうな感じ。
階段をいくつか登って行くと、鳥居へとたどり着く。 この鳥居は継ぎ目なしの石造りの鳥居としては日本で一番大きいそうだ。 鳥居全部を一つの石から切り抜いたのかと最初は思ったのだけど、柱が一つの石からってことのよう。 さすがに全部は無理か。 その後はちょろっとお参りをして終了。 そんな感じで神社見学を終えて、もうしばらく歩いて行くと赤湯温泉街へとたどり着く。

上杉の御湯御殿守の温泉と食事

私たちが選んだ宿は上杉の御湯御殿守。 この宿は上杉家の別荘として使われてきた経緯があるそう。 しかしその辺りのあれこれは忘れてしまったので、他の方に任せるとしよう。
私がまず覚えてるのはこの宿は飲兵衛に良い宿であった。 まずチェックインの際に盃に注がれた日本酒が振舞われる。 これも確か上杉家の何かしらに所縁があったような気もしたが忘れてしまった。
また地元の赤白ワインのティスティングがフロントの近くに設置してあった。 こちらもなかなか美味しいワインで楽しむことができた。

上杉の御湯御殿守の中庭から

上杉の御湯御殿守の中庭から

私たちが泊まった部屋の方は割と普通の旅館といった感じの趣。 もちろん清潔で過ごしやすい部屋だったが。 立派なのは中庭など。 かなり手をかけて作り上げられている。 中庭にはスリッパを履き換えて出て行くことができ、結構な広さの庭を散歩することができる。 奥の方に行くと洞窟があったり、眺めの良い高台があったり。 色々と手が込んでいる。

御殿守中庭で

中庭でトトロ

御殿守お風呂場への案内

大浴場へトトロ

大浴場の近くの絵

大浴場の近くのトトロ

もう一つの特徴が上の写真の様にトトロが描かれていたり、置物があったりする。 その内の一つは実際に宮崎駿がこの宿を訪れた際のものだそうな。 いずれにしろトトロ好きにも良い温泉だ。 嫁を日本に呼んだら連れて行かないといけないな。

さてそんな温泉だが、泉質についてはちょっと失念してしまった。 だが露天風呂の種類が非常に多い。 入れ替えを合わせればかなりの数の風呂に入ることができる。 湯あたりしないように、一日で全部試すのは大変なくらいだ。 お風呂上がりにはソーダのサービスがあった。 それからマッサージチェアが結構気合の入った良いやつが置いてあったのを覚えている。

御殿守の夕食

牛がたっぷり御殿守の夕食

夕食は夕食会場で固定のメニュー。 プランによって夕食メニューは結構違うのかな。 我々は牛中心のメニュー。 メニューの説明が紙に書いてあったり芸がこまかい。 とても満足できる夕食であった。

翌日の朝食は上杉家が昔飢饉にそなえて、山菜やらを工夫して料理していたとかいう伝統料理の”かてもの”。 その味は普通に美味しかった。 見た目は派手じゃないけど、丁寧に作られていた印象。 写真は撮り忘れてしまったが。

それからもう一度温泉に入ってのんびりとしてから帰路へついたのだった。 帰路での寄り道は米沢の電車の待ち時間にお昼を食べたくらい。
そうそう後は青春18の旅だったのだけど、台風で電車が止まってしまい福島駅からは新幹線を使ったのだった。 新幹線に乗り換える場合は、路線料金も含めて買い直さないといけない。 台風だからしょうがないのだけど、ちょっと損をした気分になってしまったものだ。

レストラン情報

生そば・お食事処 松月庵 (福島駅) ☆☆☆

福島駅のお蕎麦やさん松月庵

福島駅の構内、とは言っても改札の外。 立ち食いだけど生そばが食べられるということで有名なお店。 しかし私たちは立食いじゃなくて、座れる方のお店に入った。 お蕎麦は美味しかったし他のメニューも美味しかった。 よく知らない有名人の色紙が並ぶ。 福島駅にちょうどお昼時に立ち寄ったらもう一度食べると思う感じ。

まるぶん (米沢駅) ☆☆☆

米沢駅近くのまるぶん

米沢駅を出てすぐにある牛屋さん。 値段もさほど高くなく美味しかったけど牛丼は牛丼といった印象。

D

海外旅行記・中国 〜上に天国あり、下に蘇州・杭州あり

というわけで中国は杭州。 州とついているけど、区分的には市といったところか。 ことわざの「上有天堂、下有蘇杭」のイメージで行くととても綺麗な田舎の風景をイメージしてたんだけど、なかなかの大都市的景観である。 ていうか中国は真面目に田舎に行くなど、観光用の場所じゃないと人が多すぎて建物が上に伸びている印象がある。
いずれにしろ杭州は人口1000万の大都市である。 いくつか訪れた観光できそうな場所とレストランの紹介をしてみたい。

西湖

杭州の観光地としてまず上がるのは西湖であろう。 というか他にあまり行くところがない。 いや住んでれば行くところはたくさんあるのだけど、海外旅行の行き先としてはちょっとインパクトにかける感じ。 西湖はそんな杭州の中で頑張っている観光地。

杭州の西湖

西湖の湖心島にて

何をするかといったらまずはボートで中心の島(湖心島)へ行くと良い。 値段は一人6$くらい。 ちなみにもう一つ島があるらしいけど私は行ったことがない。 湖心島の周りにはいくつか観光名所になっているところがある。 小さな島なので、ぐるっと回っても20分くらいかな。 真ん中にお寺みたいな建物がある。
帰りのボートは同じ発着場に行けば良いのだけど、行き先がいくつかあるので注意。 私たちは別の発着場に到着してしまったので、車までしばらく歩かないといけなかった。

外縁に戻ったら西湖一周するのも良い。 いくつか有名な橋などがあり、それぞれにエピソードがある。 西湖一周するには、歩道をゆっくり走っているオープンカーみたいなのがあるのでそれに乗る。 嫁が言うには乗る方はヒッチハイクじゃないけど、呼び止めれば乗せてくれるそう。 我々が行った時は結構人気で、空いている車を見つけるまでに結構時間がかかった。
乗る時に降りる場所を伝えてチケットの購入をすることになる。 一区間乗ると大体一人1.5$、一周ぐるっと乗ると10$くらい。 なので中国語が喋れないとちょっと難しいかもしれない。 一応大都市だから英語通じるかもしれないけど、中国の観光地はさほど英語を喋らない印象。 まあ地図でも見せながら交渉すればなんとかなるか。

西湖の音楽噴水

綺麗な音楽とライトアップが楽しめる西湖の噴水

あと夕暮れになると噴水のライトアップショーがある。 三公園の近くで15分のショー。 普通は7時と8時の2回だそうだが、もうちょっと多くやる日もあるようだ。 西湖のMusic Fountainでググれば情報が出てくる。

ショッピングモール(万象城)

杭州の巨大ショッピングモール。 ブランドショップがたくさん入っている。 ブランドものは普通に高い。 アイススケートリンク、映画館をはじめとして色々遊ぶところがある。 レストランやカフェなども多いので、ゆっくり買い物や食事などができる。

レストラン情報

西湖春天 ☆☆☆

西湖すぐ近くのレストラン。 杭州料理ではなく、広東料理。 小皿でちょこちょこ頼んでいく感じ。 ドリアンを揚げたデザート(榴莲酥)がとても美味しかった。 あとはローストした鳩(烤乳鸽)が有名。 だけど特別美味しいというわけではない。 トイレが綺麗。

唐宫 ☆☆☆

ショッピングモール万象城の中にあるレストラン。 なぜだかどのレストランもえらい混んでた日だったけど、比較的少ない待ち時間で入れた広東料理。 料理は普通に美味しかった感じ。 特に印象には残っていない。

杭州の旅行TIPS

*杭州東駅の新幹線は外国人が切符購入できる窓口が限られている。 なのでめちゃくちゃ並んでいて時間がかかる時がある。 先に切符を購入していない場合は時間に余裕を持って行く必要あり。 中国は地下鉄・長距離バス・新幹線とどこでもセキュリティーチェックがあるので、そちらも少し時間がかかる。 トイレは新しいわりにはそんなに綺麗じゃない。

*路線バスを使いたかったら、乗る時に先払いして乗る。 私が乗った時は2元だったかな。

黄山行きの長距離バスが出ている。 バス駅のトイレは、結構すごい。

関連記事

1. 海外旅行記のまとめ

2. 海外旅行記・中国 〜黄山への旅立ち

D&X

海外旅行記・アメリカ東部 〜シカゴのホテル・レストラン

最近シカゴで旅行した時の観光名所についての投稿を書いた。 この投稿ではその旅行で使ったシカゴのホテルとレストランについて書きたい。

ホテル情報

Hilton Garden Inn Chicago/North Loop 

こざっぱりとした感じのホテル。 部屋の中はとても清潔だし、フロントの感じも良くてとても好印象。 ちょっと狭いのはシカゴなのでしょうがない。 駐車場は高いので、車の場合は近くのセルフパーキングに行った方が良い。

レストラン情報

Shree Restaurant ☆☆☆

シカゴのshree_restaurant

APSの近くのインド料理屋。 味は文句なしに美味しかったんだけど、店員がなぜか注文を通すのを忘れる。 ビールを飲み終わってしばらくしたところで、確認したらまだ作り始めてもいなかった。 しょうがないので、そのまま待っていたら料理はとても美味しかった。 写真下部のドサも、上のほうれん草カレーも秀逸。 確かベジタリアンレストランだったかな。 という感じで星4つつけたいけど、遅刻分星3つ。

Triple Crown Restaurant ☆☆☆☆

チャイナタウンのdimusumレストラン。 確か適当に取って行く形式ではなく、紙に書いてオーダーするタイプだったはず。 味は問題なく美味しかった。 良く頼むエッグタルトがちょっと好みの味から外れていたので星4つということで。

The Purple Pig ☆☆☆☆☆

シカゴpurple pigのおまけデザート

トリビューンタワーの斜め前。 ちょっとわかりにくいけどノースミシガンアベニューから、テラス席が見えるはず。 googleだとアメリカ料理店だそう。 だけどかなり色々とバラエティーのある食事ができてよい感じのレストランだった。 店員さんも感じが良かったし。 近くにいればかなりおすすめできるレストラン。 たまたまこの時だけかもしれないが、ノースミシガンアベニューが若干治安が悪そうな感じになってたのが少し残念。

MingHin Cuisine ☆☆☆

シカゴの街中でdimsum

早めの昼ごはんという感じの時間に尋ねた。 この旅のdimsumの二店目。 普通に美味しかったけど、中華街の方がレベルが高かった。 ただアクセスはとてもよいので、シカゴの街中で小皿中華が食べたいなと思ったらとても良いレストランだと思う。

Lou Malnati’s Pizzeria ☆☆☆

シカゴピザを試そうと入ったお店。 結構小さめのサイズでも頼めたはず。 美味しかったけど、まあ1回でよいかな。 一緒に頼んだ普通のピザの方が好きだった。 でも1回は食べるとよいと思う。

Wildberry Pancakes & Cafe ☆☆☆

シカゴのWildberry Pancakes & Cafe

パンケーキが有名なお店。 朝食にトライ。 朝食だというのに並ぶ必要がある。 受付に名前を言って、後で呼ばれるシステムだったけ。 ちょっと自信なし。 嫁はパンケーキを頼んでいたが、かなり甘そうだった。 私はオムレツみたいな朝食で結構美味しかった。 隣の席が日本から来たOL二人組って感じだったのを覚えている。

関連記事

1. 海外旅行記のまとめ

2. 海外旅行記・アメリカ東部 〜のんびりシカゴで二泊三日

D

海外旅行記・アメリカ東部 〜のんびりシカゴで二泊三日

嫁のAdvanced Photon Sorces(APS)での放射光の実験を手伝った後、打ち上げがてらシカゴに行くことにした時のお話。   APSからシカゴは車で一時間ほど。 そういう意味ではAPSは都会が近い良い職場だ。 APSの周り自体は自然豊かな場所だし。 良いポジション空いてないかな。
この投稿では旅程に沿って観光地について書いていき、レストランとホテルについては別投稿にまとめる。

一日目 シカゴの中華街からウィリスタワーへ

ハイウェイを降りてまず向かったのはシカゴの中華街。 旅行中にひとつはdimsumを挟むのが私たちの習慣。 中華街の辺りは結構細い道がごちゃついていて、運転が大変だった。
最初は目当てのdimsum屋さんの近くで、中華街の中に駐車できるとこを探していたのだ。 狭いスペースに頑張って縦列駐車してみたが、 停めた後にそこの駐車は特別許可が必要という看板に気付く。 他に駐車できそうなところも見付からなかったので、中華街の中は諦めて外に出ることにしたのだった。
すると実は中華街のすぐ外に中華街専用の巨大な駐車場があった。 観光で来た人は最初からこの駐車場を目指した方が分かりやすくて良いと思う。 この駐車場から中華街の入り口までは50mほどだ。 dimsumの詳細は別投稿で。

dimsumを済ませた後はシカゴのダウンタウンまでドライブ。 ちょっと街中の運転はドキドキしたが、何の問題もなく順調。 予約しておいた駐車場へと駐車し、ヒルトンガーデンインへとチェックインしたのだった。
シカゴのホテルは駐車場がべらぼうに高い。 ダウンタウンの辺りにいくつか駐車場があるので、そこまで自分で停めにいった方がだいぶ安くなる。 Wabash-Randolph Self Parkが私たちの使った駐車場。 二日で50$くらいだったかと。 少し狭いけど問題なく駐車ができた。

シカゴのKidney bean

シカゴの高層ビルとkidney beanに映る高層ビル

荷物をホテルにおいたらさっそく観光。 まずはシカゴの公園を少し散策。  名物のkidney beanをのぞいたり。 Kidney beanのあたりからはシカゴの高層ビル群が綺麗に見えて良い。

シカゴのウィリスタワー

ウィリスタワーの写真撮影用の飛び出たガラス空間

この日のメインはシカゴ一高いウィリスタワーで、日の入りと夜景の鑑賞。 先にオンラインで購入しておいたチケットを見せて入場。 この日は混んでいなかったので、全く並ばず入ることができた。 ちょろっとシカゴタワーの歴史みたいな映像を見てからエレベーターに向かう。 エレベーターも来たのにそのまま乗れるくらい空いていた。
エレベーターを上がるとシカゴの市街地を一望できる。 この手のタワーによくあるガラス張りの透明な床が二箇所あるので写真撮影に良い。 さずがにそこは少しだけ並んでいた。

シカゴの夜景

ウィリスタワーからのシカゴの夜景

そんなことをしたり買い物をしたりなどして日の入りを待つ。 この日の日の入りは普通。 どちらかというとそのあとの夜景の方が印象的だった。 最近だと札幌の夜景がとても綺麗だったけどシカゴの夜景もなかなか。 アメリカの夜景は暖色であったかい感じ。
その後は一旦ホテルに戻ってから、夕食を食べに出直したのであった。

二日目・三日目 シカゴ美術館とシカゴピザ

シカゴのトランプタワー

シカゴのトランプタワー・・・この時は彼が大統領になるとは思わず

この日はホテルでのんびりとおきだして、ホテルの周りを散策。 私たちの地元では目にかからなかったpeet’s coffeeのエスプレッソで朝のスタート。 ちなみにアメリカのスーパーで売ってるコーヒー豆だとpeet’s coffeeが一番優秀だと思う。 苦いコーヒーが好きだったら。 スターバックスの豆も悪くないけど。

シカゴのミシガン湖

ミシガン湖からの高層ビル群

続けて街中を散策してから二日連続のdimsum。 シカゴのミシガン湖沿いの公園を散策したのだった。 現地住民にならって湖に足を突っ込んで休憩。 この辺りはとても綺麗に整備されている。 シカゴに住んでいたら通う感じの場所だ。

シカゴ美術館の特設展

シカゴ美術館の特設展はゴッホの寝室だった

公園をうろちょろした後は、シカゴの美術館を訪れたのだった。 シカゴの美術館は印象派好きの嫁のおすすめだったのだ。 期待していた通り良い品揃えの美術館であった。 また特設展もゴッホの寝室特集。 何点かあるゴッホの寝室が大集合していた。
美術館を一通り探索した後は、シカゴピザで夕食。 その後はホテルまでゆっくりと歩いて帰りつつ、シカゴの川の橋の上から日の入りを狙ったのであった。

シカゴ郊外の風力発電

シカゴのあたりは風が強いのか郊外に風力発電がある

最終日は朝から最近有名らしいパンケーキ屋さんで朝食。 私はオムレツセットみたいの、嫁はパンケーキをオーダー。 両方それなりに美味しかったけど、アメリカのパンケーキは少し甘すぎるかな。 そのあとはチェックアウトして、駐車場から車を回収。 テネシーまで8時間ドライブに出発したのであった。

関連記事

1. 海外旅行記のまとめ

2. 海外旅行記・アメリカ東部 〜シカゴのホテル・レストラン

D

 

ノーベル賞2017 〜科学関連賞について

他にも色々重要な科学賞はあるものの、ノーベル賞は科学界の最高栄誉であろう。 ポスドクとはいえ研究者としては、どうしたらノーベル賞に手が届くような研究になるかとか考えて見ることもあった。 しかし実際に受賞している人たちなんかは、きっとそんなことは考えずに研究に邁進しているのだろう。 私の研究はノーベル賞と関係がありそうには思えないけど、少しでも科学の土台をどっかで押し上げられてたら良いなと思う。
さて、今年はストックホルムのノーベル博物館に行って来たこともあり、なんとなくノーベル賞を身近に感じている。 せっかくなので今年の科学3賞について、公式ページのプレスリリースを読んでみることにした。

ノーベル生理学医学賞

体内時計の仕組みを解明したアメリカの3研究者が受賞。 体内時計は太陽の光などをみないでも、体は一日の昼夜など24時間を認識できるよっていう機能。 人間の場合だと体調の変化だったり血液成分の変化だったり。 じゃあそれをどうやって可能にしているのっていうのを、ハエの遺伝子研究で明らかにしたそうです。
遺伝子の一つPER遺伝子が作り出すPERタンパク質っていうのが、夜間は増加して日中は減ることで24時間のリズムを作っているよう。 どうやってその量をコントロールしているかというと、実はPERタンパク質自体がPER遺伝子の働きを阻害することで、PER遺伝子の量が調整されるそう。 なかなか面白いシステム。 しかしPERタンパク質がこの働きをするには、細胞核に入る必要があるらしい。 PERタンパク質が移動するのを助けてくれるのがTIM遺伝子によって合成されるTIMタンパク質。 このような体内時計の働きを制御する二つの遺伝子の仕組みの解明が今年のノーベル生理学賞でした。
私は就寝リズムが崩れやすいタチなので、是非とも医療技術としての体内時計のコントロールの実現がなされると良いなと思っている。 単にだらしないだけかもしれないが。

参考: ”The 2017 Nobel Prize in Physiology or Medicine – Press Release”. Nobelprize.org.Nobel Media AB 2014. Web. 6 Oct 2017. http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2017/press.html

ノーベル化学賞

クライオ電験をはじめとした電子顕微鏡での生体高分子の観察法の開発でアメリカ・イギリス・スイス勤務の研究者が受賞。 電験はとても優れた分析機器だ。 なぜならそのまま目に見えないサイズのものを直接画像として見せてくれるからだ。 そのデータは非常に直感的でわかりやすい。 優れた文章を作るのも才能だが、1枚の綺麗な電験写真はそれを凌駕する可能性がある。
さて電験の問題点は、電子ビームが強すぎて生物試料だと焼けてしまうこと。 この強すぎる電子ビームでもなんとか撮影をしてあげようと、悪戦苦闘したのが受賞3研究者のようだ。 Dr. Hendersonが生体高分子撮影への道を開き、 Dr. Frankが画像解析による二次元画像の三次元的解析法を確立した。 そしてクライオ電験に踏み込んだのがDr. Dubochetとのこと。
非破壊という意味ではX線分析も優秀なんだけど、奇しくもクライオX線もノーベル賞をDr. Yonathがとっている。 クライオX線の開発で受賞というわけではなかったけど。 冷やすのは正義ということで何かしらまだ冷やしてない装置があったら冷やすべきなのかもしれない。

参考:”The 2017 Nobel Prize in Chemistry – Press Release”. Nobelprize.org. Nobel Media AB 2014. Web. 6 Oct 2017. http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/2017/press.html

ノーベル物理学賞

重力波の観測でアメリカの三研究者が受賞。 観測から2年でのスピード受賞。 ヒッグス粒子がCERNの観測から一年で受賞したのもそうだけど、物理学賞の基礎発見への受賞はとても迅速?
さてアインシュタインが100年前に予想した重力波。 二つのブラックホールの衝突によって生み出された重力波が13億年を経て地球で観測されたことになるそうだ。 もはやよくわからないですね。
とにかく弱い波なのでバックグラウウンドの除去が重要。 というわけでDr. Weissがレーザーベースの干渉計ディテクターをデザインしたそうな。 それから40年ほどかけて重力波の観測まで導いたリーダー達にノーベル賞が送られたとな。 重力波の解析はこれまでの宇宙線解析などとは全く別種の情報を明らかにできるそう。 だけどよくわからないので、頭の良い人たちの研究続報を待ちたい。 ちなみにアインシュタインは実際に重力波を観測するのは無理だろうと思っていたとか。

参考:”The 2017 Nobel Prize in Physics – Press Release”. Nobelprize.org. Nobel Media AB 2014. Web. 6 Oct 2017. http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2017/press.html

日本人のノーベル賞についてちょろっと思うこと

日本の科学が危うい、日本人のノーベル賞が減っていくんじゃないかというような論調の記事をノーベル賞後いくつか目にした。 というかこのような記事は普段から結構よく見かける。 過去のノーベル賞受賞者たちが警笛を鳴らしているのだから、きっとそういうことはあるのだろう。 下部にリンクを貼ったがNHKのニュースでは研究論文数を引き合いに、日本の科学力の伸び悩みについて述べていた。
この論文数のデータをどっから引っ張ってきたのかはわからない。 しかし日本人はしっかりと良いデータが出た上で確証が持てるまで、論文を書かない印象がある。 私がアメリカのラボにいた時も、同僚がにたようなデータを日本のグループが持ってるようだけど論文を書いていない。 俺が先に出しちゃうぜ的なことを言っていた(実際に投稿したかは聞いていないが)。
また論文数だけ言うなれば、昨今あまり質のよくない論文が増えているのも事実だと思う。 私の周りではと区切るべきだろうが、日本人グループがあまりにひどい論文を書いている確率は低い。
ただ日本は人口が減っているわけで、その中で特別科学教育偏重にするだとか外国から研究者を呼び込むだとかいうことをしないのであれば、多少なりとも衰退するのは必然だろう。
アメリカなんかも若い国産の研究者が多いわけではないが、中国・インドからのポスドクなどがガツガツ仕事をしている。 アメリカの研究所や大学で中国・インドからの留学生が頑張っているのを見ると、ちょっと前の日本人はこういう感じだったのかなとも思うし。 さらに中国などはそんな海外経験を持つポスドクの中で優秀そうなのを優遇して呼び戻す制度を作っている。 そういう国からノーベル賞が増えるのは必然、というか良いことなんじゃないだろうか。
しかし身内びいきかもしれないが日本は基礎教育のレベルが高いし、日本で成功していく研究者のレベルもとても高く見える。 なので私はノーベル賞を産み出すような質の高い研究者は確保されていくんじゃなかと思っている。 だけど同時にそんなノーベル賞レベルの研究を、応用に広げていくような研究には手が足りなくなってくんじゃないかなとも思う。

参考: NHK NEWS WEB

関連記事

海外旅行期・ヨーロッパ 〜ストックホルム観光一日目

D

フィンランドのショッピングモールの赤ちゃん向け設備

久々の嫁ブログの翻訳記事。 フィンランドのショッピングセンターは授乳室などの赤ちゃん向けの設備が充実しているというお話。
フィンランドはナースにもよく言われるけど、天候的に可能な時は赤ちゃんを外に連れ出すようにとのこと。 バスなど公共交通もベビーカー持ちだと運んでる人も無料になるので、移動の値段も気にせず出歩ける。 というわけで私の住んでるエリアの赤ちゃん連れがよく行くショッピングセンターなどの感想などを書いていきたい。

ISO OMENA

授乳ソファー

離乳食テーブルとトイレ

Iso omenaはフィンランド語で大きな林檎。 エスポーでたぶん一番大きいショッピングセンター。 そして子供向けの設備もたぶん一番良く作られている。 子供向け設備は1階の真ん中に位置しており、遊技場や子供向けのお店がたくさんある。
授乳室は扉に隔てられているが開いていることの方が多い。 閉まっていたらボタンを押すとあけられる。 中にはベビーカーの駐車場、ロッカー、幼児の食事用のテーブル、授乳用のソファー、子供用トイレなどがある。
Iso omenaの授乳室はとても混んでいて、常に誰かしら使っているそう。 外の遊技場も大人気で大概たくさんの子供たちがいる。

Sello

Selloオムツ交換

SelloはエスポーでIso Omenaと人気を二分するショッピングセンターだ。 授乳室はこちらも1階。 人の多さに対して少し小さいか。 必要なものは揃っているけど、Iso Omenaの方が気合が入っている印象。

IKEA

IKEAオムツ交換・授乳室

エスポーにはIKEAがある。 日本でもそうかもしれないが、IKEAはぶらぶらしているだけで楽しい。 さてIKEAの入り口をくぐるとすぐ右手、子供の遊技場が目に入るはずだ。 授乳室はその遊技場のすぐ目の前にある。 こちらの授乳室は小さい。 鍵かけられるようになっているので一人用かな。 IKEA製の椅子などがおいてあっておしゃれな感じだ。
ちなみに二階の食堂のところにも子供の遊技場があり、授乳室もついているようだ。 こちらはまだ試していない。

AINOA/STOCKMANN in TAPIOLA

AINOAの遊技場

AINOA授乳室

割とヘルシンキ寄りのTapiolaにあるAINOA/STOCKMANN。 二つあるらしいのだけど、嫁はAINOA側の一つしか見つかれなかったそうだ。
さて行き方。 まずは二階に上がるとH&Mがある。 H&Mの出口の隣には子供の遊技場がある。 この遊技場が大きいし、色々おいてあってとても良い感じ。 ここの遊技場はお父さんがよく子供と遊んでいる。 その間にお母さんが買い物に行っているのかな。
この遊技場からは授乳室の看板を見つけるのは簡単。 授乳室は4階にある。 ソファーはないけど、座りやすい椅子と素敵な内装だそう。

Kamppi center in Helsinki

kamppiの授乳室のサイン

Kammpiの授乳室

こちらはヘルシンキのバスの終点でおなじみのKamppi Center。 こちらの授乳室は3階の子供洋品店のお店の中にある。 なので最初はちょっとわかりにくいが、授乳室のサインを信じてお店の中へと突き進めば良い。 入り口を入ってそのまま突き当たると授乳室がある。
こちらも小さな部屋なので一人用かな。 内装は結構ゴージャスで良い感じ。 オムツやタオル、ベビークリーム・ローションなども揃っている。

というわけで翻訳記事でした。 嫁の元記事の方が写真も説明も多いので、よかったら下の関連記事からどうぞ。

関連記事

1. Baby in Finland – Nursing while shopping

2. 海外出産・海外育児のまとめ

 

X&D

 

海外旅行記・ヨーロッパ 〜タリンへの再訪

ヘルシンキからフェリーでたったの二、三時間とアクセスの良いタリン。 前回の訪問では綺麗な街並みや、安くて美味しいレストランなど存分に楽しむことができた。 いつかまた訪れることがあるだろうなとは思っていたのだけど、そのチャンスが随分と早く訪れることになった。
このたび我々のサイエンスプロジェクトのオーストラリアの共同研究者が、フィンランドの研究所まで訪問してくれることになった。 そこで歓迎と親善を兼ねて、近場のタリンへと小旅行をすることになったのである。

ヘルシンキからタリンへのフェリー

前回使ったLinda Lineの高速船も早くてよかったのだけど、今回はphdの学生のオススメだったEckerö LineのFinlandia。 タリンまでの短い航路ではあるけれど、なかなか豪華な感じの客船だ。 スェーデンに行くのに使ったTallink Silja Lineをちょっとスケールダウンした感じ。 一日二往復しているそう。
チケットはボスがまとめ買いしておいてくれたのだけど、往復で一人40ユーロくらい。 プラスで荷物置き用にキャビンをとった。

Eckerö LineのフェリーはWest Harbor Terminal T2から。 トラムの6Tか7を使ってLänsiterm. T2駅まで。 ちょっと普段行かない方なので、間違えないように注意が必要。
一度トラムに乗ってしまえば同じ目的の人がたくさんいるので、降りる駅は簡単。 たぶん終点だったかな。
トラムを降りたら人並みに飲まれながらフェリーターミナルの入り口を目指す。 このフェリーターミナルは新しいようでかなり綺麗。

Eckero Lineの有人カウンター

Eckerö Lineの有人カウンターは少し並んでいる

ターミナルに入ると有人カウンターと自動チェックイン機がある。 有人でも良いけど、自動チェックイン機でも簡単に一瞬でチケットが発行できる。 ちなみにチェックインカウンターの周りには綺麗なトイレがある。
自動のチケット読み取り機を超えて数分歩くと乗船場所までたどり着く。 チケット読み取りはヘルシンキ側はバーコードが下向き。 一方帰りのタリンからのフェリーでは、バーコードを上向きにして読み取るというなかなか困惑させてくれるシステムだった。

ライブ音楽の聞けるシート

船前方のバーではライブ音楽が楽しめる

キャビンや有料席を抑えている場合はまずそちらへ。 そうでない場合は、良い席は早い者勝ちなので眺めの良い席などが取りたければ急ぐ必要がある。 バーの席などは場所によっては1オーダーが必要なよう。 我々が開いてるからと座っていたら何か頼んでとバーのお兄さんに言われた。
ちなみにキャビンの部屋は普通の船室といった外観。 ベッドもあるけど三時間寝るためにキャビンを取る人はレアかもしれない。
出港時だけちょっとデッキに出てヘルシンキを眺めて見たりしたけど、この航路からの眺めは普通。 tallink silja lineのストックホルム行きの方がヘルシンキの街並みや綺麗な島々を見ることができて良い。
出航後はバーに戻って朝からビールを飲みながら雑談。 あっという間の二時間半であった。 あ、無料Wi-Fiが利用可能だ。

ちなみにフェリーの中の物価はタリンから考えるとなかなかお高くヘルシンキからだと普通。 いくつか例を挙げておくと、コーヒー2.2ユーロ。 クロワッサンなどパン2.5ユーロ。 ビールは5ユーロくらい。 バーで頼んだカクテルは8ユーロだった。

九月末のタリン

前回のLinda Lineとは結構離れたフェリーポートに到着。 Linda Lineでは船を出たらすでにタリン上陸という感じだったけど、Eckerö Lineではランダムだけど入国審査があるなど少しだけフェリーポートで時間がかかる。 そんなランダムチェックになぜか引っかかる私たち。 一人ずつパスポートとフェリーの乗船券を見せる必要があった。 なのでフェリーの乗船券とパスポートはすぐ出せる位置にしまっておくと良い。

タリンの旧市街手前の通り

タリンは旧市街の外も結構オシャレ

さてこのEckerö Lineのフェリーポートから旧市街に向かって歩く20分ほどの道がなかなかオシャレで良い感じ。 前回はこの辺りは通らなかったので、ゆっくりと写真撮影などをしながら旧市街を目指した。

閑散としたラエコヤ広場

閑散とした金曜朝のラエコヤ広場

到着した旧市街。 結構ゴミゴミしていた七月のタリン旅行に比べると、今回のタリンは観光客がとても少なかった。 ついでに出店などの数もだいぶ少なくて、夏の観光シーズンに比べたらとても落ち着いた感じ。 私はむしろこちらの方が落ち着いていて好感が持てた。
旧市街についたところですでにお昼時間になっていたので、まずは昼食から済ませることにした。 レストランはMunga Kelder。 詳細は投稿下部に。

タリン旧市街プラットフォームへの途中

タリンのプラットフォームへ登る途中

昼食後はタリンの旧市街を抜けてプラットフォームに上がり記念撮影。 上の写真に写る壁。 階段を登ると上に行けて、そこがカフェになっている。 今回はスキップしたけど、次は試して見たいカフェだ。
プラットフォームからの眺めは相変わらずよかったけど、あまり緑豊かな町ではないのでこの秋口の季節感はあまり感じなかった。

プラットフォームから降りたら、旧市街を出てカフェ(CARMEN CAFE)で休憩。 このカフェは旧市街を出たところにある。 その後はタリンのショッピングモールを何箇所か回るものの特に何も買わず。

タリンからヘルシンキへのフェリー

タリンの上の夕陽

タリン市街地に沈もうかという夕陽

地平線の雲に切られた太陽

水平線の雲に区切られた日の入り時の太陽

Finlandiaのヘルシンキ行きは6時半出航。 九月二十九日のこの日は少し出航が遅れていたけど、ちょうど日の入り少し前くらいの時間。 私は出航に合わせてデッキに出て日の入りの写真撮影に挑戦。 しかし日の出日の入りはカメラの写真だとなかなか良いものを取るのは難しい。 結構強風だったので寒かった。 あと1、2週間くらい経つとタリンに沈んで行く夕陽が撮影できるのかな。

フェリーのカフェテリアのチキンフィレ

その後はカフェテリアにて夕食。 24ユーロくらいのビュッフェも考えたのだけど、飲み物一杯と上のチキンフィレで15ユーロくらいだし結構美味しい。 特にお腹が減ってなければカフェテリアで十分かも。
その後はバーで一杯やりつつフィンランド語のライブ音楽を楽しみながら残りの時間を過ごした。 ちなみにカラオケもある。 お客さんの前の舞台で歌う形式のやつだけど。

ヘルシンキに到着したのは9時ちょっと過ぎ。 私は帰りは友達の車に同乗させてもらったのだけど、トラムはかなり混雑しているようだった。 フェリーは早めに降りるか、しばらくゆっくりしてのんびり出るかのどちらかの方がよいかもしれない。

レストラン情報

Munga Kelder ☆☆☆

Munga Kelderのラム

カトリーナ通りの入り口(出口?)にあるレストラン。 地下にある。 赤ワインとラムのローストを注文。 普通に美味しかったけど、前回のタリンのレストランVon Krahli Aedの方が美味しかった。 ちなみにトイレが入り口すぐのところにあるのだけど、暗い上にドアについた男女の絵がわかりにくくて間違えそうになった。 レストラン入り口から遠い方が男性用である。

CARMEN CAFE ☆☆☆☆

タリンのカフェ(CARMEN CAFE)

タリンの旧市街を出て少し歩いたところにあるカフェ。 ケーキは少し甘かったけどなかなか手が混んでいる。 コーヒーは待ち時間が長かったけど、その分香りが良く美味しいコーヒーだった。 テラス席に座るととても眺めが良い。 その他軽食なども売っている。

関連記事

1.  海外旅行記のまとめ

2. 海外旅行記・ヨーロッパ 〜ヘルシンキからタリンへのフェリー

3. 海外旅行期・ヨーロッパ 〜ヘルシンキ・ストックホルム間フェリー

D

MacとWindowsでPython3のインストール

最近phdの学生のwindowsコンピュータへのpythonのセットアップを手伝うことがあった。 ただWindowsにインストールするだけなら簡単なはずだが、私が最近Windowsを使っていなかったこともありそう簡単でもなかった。
今回の投稿ではマックでのpyenvを使ったpython3のセットアップと、Windowsにpythonをインストールした体験を記録しておきたい。

Macでのpyenvを使ったpythonのインストール

さてMacでのセットアップはとても簡単だ。 というかxcodeとか入れてばどれかのバージョンが入っているだろう。 また適当なソフトウエアパッケージを使えば好きなバージョンのpythonもインストールできるだろう。
しかしpythonはpython2、python3をはじめとしてバージョンが大量にあるのでいくつかダウンロードしてしまうとその管理が大変。 いろんなソフトウエアで一緒にダウンロードしてたりすると、今どのpythonを使っているかがわからなくなってしまったりもする。
そういった問題を避けるために私はpyenvだけ使ってpythonを管理している。 pyenvのインストールはhomebrewからできる。 fink、macportじゃないとダメなソフトもあるけど、最近はhomebrewもかなり頑張っている印象。 homebrew のインストールは公式ホームページのコマンドをコピーしてきて、ターミナルに貼り付けて実行するだけで良い。 続いてhomebrewを使ってpyenvのインストール。

brew install pyenv

それからUsers/”user”/下の.bash_profileに以下を記述しておく。

export PYENV_ROOT="${HOME}/.pyenv"
export PATH="${PYENV_ROOT}/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"

続いてpyenvを使って必要なpythonのバージョンをインストールしておく。

pyenv install "version"

続いてメインで使うバージョンをグローバルにセットしておく。 私はanacondaのpython3をセットしているけどまあお好みで。

pyenv global "version"

あとはあるフォルダの中だけで別のpythonを使いたかったりしたら、そのフォルダに移動してから

pyenv local "version2"

といった具合で設定する。 ちなみにpipなどで入れるパッケージはバージョンごとに入れなおす必要がある。
その他たまに使うコマンド。
pyenv install –list インストール可能なpythonバージョン一覧
pyenv versions  インストール済みのバージョン一覧

Windowsコンピュータでのセットアップ

普通のWindowsでのインストールならそんなに面倒くさくもないと思う。 公式でも良いし何か適当なpythonをダウンロードしてインストールすればよい。 そうしたらpythonのcommand lineかPython GUIを使って、書いたりプログラムを走らせたりすることができる。
ただpythonのGUIから入るとディレクトリの移動とかがちょっと面倒臭い。 osをimportしてディレクトリ移動とかできるけど、ちょっとコマンドが長いし覚えにくい。
そういうわけでpythonをターミナルから使いたかったら、コマンドプロンプトを開いてC:\python32\pythonのように実行すれば良い。 もしくはパスを通しておくか。 コマンドプロンプトならcdとかdirとか割とみたことがあるようなコマンドで操作できるので便利だ。 それからpipでも使って好きなようにパッケージを入れるなどカスタマイズしていけば良い。

問題は最近大学や研究所などソフトウエアのインストールを管理している場合がある。 そうすると追加のソフトウエアのインストールを毎度ITチームにお願いしないといけない。 そうなると上記の方法だと私のプログラムを走らせるセットアップにするのがちょっと面倒くさい。
なので最小限のソフトウエアインストールで切り抜ける方法を探してみた。 私はanacondaのpython3を使っているので、phdの学生にはとりあえずそれをインストールしておくように頼んだ。
最初はpythonをコマンドプロンプトから使おうかと思い、実行ファイルの場所を探していのだ。 しかしWindowsにanaconda-python3をインストールすると、実行ファイルの位置がいまいちわかりにくかった。 そんな探している最中にanacondaのパッケージの中にanaconda promptなるものを発見。
なんとなく使ってみると、このターミナルで大体問題なく書いておいたプログラムを使えることが判明した。 pipもこのターミナルから直接使えたので、追加のパッケージのインストールも簡単にできた。
というわけでWindowsコンピュータではanaconda-python3だけインストールしとけばだいたいなんとかなりそうな気がしている。

関連記事

pythonのまとめ

D

フィンランドで生後5ヶ月を迎えて 〜離乳食の開始

さてフィンランド滞在も3ヶ月を過ぎ、子供もいつのまにか5ヶ月を超えていた。 大体離乳食を始めるのは5−6ヶ月というのが標準なのではないだろうか。 私はのんびりなので、6ヶ月からでも良いんじゃないかなと思っていた。
しかし最近ワクチンを打つのにドクターとナースを訪ねたのだけど、フィンランドのナースがもう離乳食を始めて良いのじゃないかとアドバイスをくれた。 嫁も乗り気であったので、一応5ヶ月を過ぎたことだし離乳食を始めてみることにした。

離乳食開始前の状況

うちは母乳育児で時折必要な時にパウダーミルクを使っていた。 パウダーを使ったのは数回くらいかな。
離乳食を始める前の授乳回数は大体昼間が4−5回、夜間が1−3回という感じ。 ちなみにフィンランドの医者からは夜間授乳は減らした方が良いとアドバイスを受けたので、離乳食に合わせて多くて1回までに減らす予定。

フィンランドで離乳食の開始

日本では離乳食は十倍つぶしがゆからという情報が散見された。 フィンランドでは茹でてつぶしたポテトや人参、それからフルーツ系統という感じで始めるようだ。 ナースは色々と出来合い品のカタログを見せてくれたりと、なるべく両親の負担にならないようにというようなサポートを感じた。
さてお粥から派の私とポテト派の嫁で話し合った結果、とりあえずポテトで始めてみることにする。 次にお粥ということで。

離乳食一日目

ポテトの皮を集めに剥いてしばらく水にさらす。 しばらく水にさらしておいたポテトを、十分柔らかくなるまで(10−15分くらい)水煮にする。 ポテトを清潔なお皿に取り出して、清潔なスプーンで細かく潰す。 少しずつお湯を加えてさらさらのゲル状になるまでよく混ぜる。
こうしてできた味なし薄いマッシュポテトを小さなスプーンですくって息子の口に入れてみた。 しかし味が気に入らなかったのか、食べにくいのか吐き出してしまった。 何度かトライしてみるものの、飲み込む気配はなし。 とりあえず5ヶ月から始めてるし一日目はこんなものかと諦めることにする。 ちょっと食べさせ方を工夫する必要があるのかな。

離乳食二日目

基本的には一日目と同じメニュー。 離乳食に少しミルクを混ぜた方が食べやすいとの話を目にしたのでミルクを混ぜてみる。 また授乳後の方が良いというのを嫁がどっかで読んできたので授乳後に試してみた。
しかしうちの子の場合授乳後は全く食べ物に興味を示さず。 やはり授乳前のが良いのかな。 まあ今日はずっとご機嫌斜めだったのでしょうがない。

離乳食三日目

フィンランドの離乳食・お粥パウダー

ちょっとジャガイモが悪いのかと、お粥に変えてみた。 お粥はパウダー(上写真)をお湯と混ぜて作れるもの。 しかし今日は離乳食前から全くもってご機嫌斜め。 口も開けてくれなかった。 しばらくトライしてギブアップ。 最近夕方はご機嫌斜めだから、ちょっと時間を変えた方がよろしいのかしらね。 そろそろぱくっと行ってほしいところ。

離乳食四日目

ミルクと混ぜたお粥。 今日は比較的ご機嫌がよかったし、お腹も空いてそうな感じ。 ちょっと試して見たけどダメそうな感じだったんだけど、しばらく粘っていたらついにぱくっとしてくれた! だいぶ薄めていたのでもう一口挑戦してもらってこの日はおしまい。 ようやくスプーンの中が食べ物だと認識してくれた様子。 明日はもう少し簡単に食べてくれるかな?

離乳食五日目

再びミルクと混ぜたお粥。 今日はかなり積極的に口を開けてくれた。 スプーンの中身が食べ物だと完全に理解した模様。 かなり薄めのお粥を4−5さじほど食べてくれた。

離乳食六日目

同メニュー。 少しコメ濃度を濃くした(お粥パウダー小さじ1)。 今回はどんどん食べたがったので、作った分だけあげてしまった。 とは言ってももともとパウダーひとさじなので大した量ではない。

離乳食七日目

フィンランドの離乳食・人参

離乳食を開始して1週間が経ったので、メニューを追加した。 最初の野菜として人参を開始。 市販の人参のマッシュをあっためたものをあげたら、何の問題もなく食べてくれた。 最初なので1さじだけ。 あとはいつも通りミルクで溶いたお粥パウダー。 今回は小さじ2を食べきった。

というわけで離乳食最初の1週間でした。 今では結構パクパクと食べてくれているので楽に進められている。 来週は人参にならしながら、お粥をミルクじゃなくてお湯であげていくのが目標。 長くなってきたので今後の進行状況は別の投稿にまとめることにする。

関連記事

1. 海外出産・海外育児のまとめ

2. フィンランドで生後5ヶ月 〜離乳食の進行状況

3. フィンランドで生後6−7ヶ月 〜離乳食の進行状況2

D

赤ちゃんとフィンランドに移住してからの医療関係手続き

ちょっと前に赤ちゃんとフィンランドに移住してからの滞在許可証の手続きについて書いた。 今回は滞在中の赤ちゃんのフィンランドでの医療システムについて書いてみたい。

社会保障カード(KELA)への申請

息子用の滞在許可証の申請が済んだので、KELAカードの申請も行うことにした。 赤ちゃんなので嫁が代理申請。 私たちのkela申請はなぜだかヘルシンキに行ったのだけど、息子のはEspooの地元のオフィスで申請ができた。 嫁が言うには申請書類に記入して提出するだけだったとのこと。
しかし数週間ほどで却下の連絡。 やはりフィンランドは1年契約の仕事にはあまりよろしくないようだ。 ちなみにこのKELAカードの申請、自己申告で緊急だというと急いでやってくれるそう。 緊急でない場合はかなりのんびりしている。 どういう事情が緊急になるかは謎。

赤ちゃん用のワクチン接種が可能な病院探し

というわけでしばらくkelaカードなしで、ワクチンやら定期検診やらをこなさないといけないということになった。 そしてこれが結構大変だった。
まずKelaカードがないとワクチンには地元の公立診療所が使えない。 無料にならないのではなく使えない。 発熱など緊急の場合は受け付けてくれるそうだけど。 さらに私立病院に電話をかけてみるものの、赤ちゃん用のワクチンはやっていないというところが多かった。
嫁が諦めずに頑張って調べて見たところ、最終的にヘルシンキにある市立病院(Mehilainen,Toolo)が赤ちゃんのワクチンに対応しているということがわかった(Bus/Tram stop Apolonkatu)。

私立病院Mehilainenの訪問

というわけでやってきたMehilainen。 子供病棟は2階。 待合室はたくさんのおもちゃなどが置いてある。 綺麗な授乳室、おむつ交換台ももちろんあり。 ついでに大人用にコーヒーの無料サーバーもあった。
エレベータを上がると受付があるので最初に登録を行う。 そういうわけでKELAカードはなくても良いけど、普通は滞在許可証と一緒に発行されるフィンランドのID番号は必要。
受付が終わると診察室の番号を指示されるので、時間になったら部屋の前で待っているとナースに呼ばれる。 ナースは赤ちゃんのフィジカルチェックを一通りして、あとはフィンランドでの子育てについての雑談をしていた。
しばらくすると今度はお医者さんの部屋に移動。 まずはどうワクチン接種をしていくかについて相談。 しばらくフィンランドにいる予定なので、フィンランドのワクチンプログラムに従ってワクチン接種を行うことにした。 お医者さんも一通り息子の健康診断をして、それからワクチン接種のためにナースの部屋へと戻った。
PCV13(プレベナー13)、 Infanrix Hib Polio(3種混合にhibとポリオ)、とRota(ロタウイルス)が初回のメニュー。 最初の二つが注射で、ロタウイルスは経口接種のワクチンだ。 ワクチン接種のあと、15分ほどアレルギーチェックのために待つことになった。

そういわけで私たちは保険なしで私立病院の利用ということになる。 気になるお値段であるが、やはりそれなりに高い。 二度の訪問で500ユーロオーバー。 内訳は下記のような感じだ。

医者の診療三十分(125ユーロ)、ナース(50ユーロ)、医療登録(19.5ユーロ)、ロタウイルス(73ユーロ)、Infanrix polio + hib(26.5ユーロ)、PCV13(91.7ユーロ)。

最近三度目の訪問をしたのだけど、その時は400ユーロくらいだった。 ワクチンは年3度なので、他のメディカルチェックを合わせて年2000−3000ユーロってとこかな。 年で考えるとそこまで高いわけでもないけれど、やはりKELAカードは欲しいところ。 というわけでKELA加入を目指すべく現在仕事の契約延長の交渉をしている。

ちなみにこの健康保険と病院訪問の内容は、以下の嫁のブログの方に詳しく書かれている。

関連記事

1. Baby in Finland – Vaccination – What if No KELA Card

2. Baby in Finland – Healthcare – Private Hospital

3. 海外出産・海外育児のまとめ

4. 海外就職手続きのまとめ

D&X