科学論文の著者の決め方はどうあるべきか

 

なんて真面目っぽいタイトルで始めるけれど、ただの愚痴雑記。

日曜夕方だってのについ仕事用のメールを開いてしまったのが失敗の始まり。

知らないポスドクから届いていたメールを要約すると……

「論文投稿したんやでー」

ふむふむ、よかったな。 ……ところで、君誰?

「メジャーレヴィジョンやでー」

そうか。ちょっと大変だけど、メジャーは結構通るもんだしまあ頑張れ。

「お前のプログラム使ってこの論文書いてたんやでー」

へえ、そうなんだね。まあ何人かに配ったプログラムだからそういうこともあるかもね。

「それでな、とりあえずお前のこと著者に混ぜたろうと思うんやー」

……ん? なんで? もうメジャーレビジョンしてるんでしょ?

「レビューアの突っ込みに儂らだけじゃ応えられないんやでー」

あー……いや、プログラム使ってくれるのはありがたいのだけどさ、内容わからないで使ってるなら先にコンタクトとってもらいたかったなあ……

「ほんじゃー著者に名前入るわけだし頑張ってなー」

へ、へえ……やだ。

……ってな感じのメールを頂いたので、丁重に共著者に入ることはお断りしたのだ。まあ、しょうがないからレビジョンの手伝いは少しするけれどさ。たぶんちょっとやり取りしたら通る感じの論文ではありそうだったし。

 

まあ、それで本題に戻るわけなんだけど、みなさんはどうやって論文の共著者を決めてますかねえ?

原則的なルールに則っていくと、論文に対して重大な貢献をしてる人だけをいれるってことになるんだよね。この辺シビアなグループとそうじゃないグループは結構あって、シビアな人たちはホントに……

  • 論文をデザインした人(主にシニア)
  • 主要な実験をした人(主にファースト)
  • その人抜きじゃどうにもならない材料、実験や解析を付け加えた人

このくらいのコントリビューションが無いと著者に入れないっていうグループもある。

うちのグループは化学工学で材料科学って感じの場所なのでかなり緩め。

論文をいっぱい書くグループの方が、共著者が増えていく印象があるかな。ただの印象だけど。

そんなわけで、うちの場合なんかだと……

  • 予算とってきた人(+ちょろっと編集仕事)
  • 細部の実験に手を貸してくれた人(+ちょろっと編集仕事)
  • 解析方法のプログラムの提供(+ちょろっと編集仕事}
  • あと協力した他所の学生のボス(+ちょろっと編集)。これが一番意見が分かれるところだけど、実際問題として共同プロジェクト的な形にしてボスもいれるってのはよくある話。揉めることもある話だから、PIの人には学生やらポスドク任せにしないで欲しい。うちの今のボスもこの辺結構いい加減で疲れることが多かった。

なんてあたりも共著者に入っていったりしている。とはいえ、このあたりも編集仕事をどれかけ真面目にやってるかとか、仕事が一つ二つ三つと重なってけばまあ正当な著者とも言えるのだろうけどね。

私もなるべくならば実験をして解析をして、論文にしっかりと意見を言うってくらいのところまでは著者になるような場合はしている。

逆に言うとちょろっと実験しただけで後は何もせず、しれっと名前を論文に乗せる人もいっぱいいるわけなんだけどね。

前もちょっと愚痴雑記を書いたけれど、著者いっぱいの論文が増えてる現在、シニアかファースト以外の価値なんてあってないようなもの。

ほんとはシビアな著者選定にしといた方が皆幸せになるのかもしれないけど、実際分業制の進んでいる昨今ではそうも言ってられないってのも事実。

著者選定とその評価のあり方ってのは、偉い人達がしっかりとオーガナイズしてくれないと、若手とか学生が困っちゃいますよねーって話ですね。

今の大学とかだとこのあたりを教える講義とかあったりするのかしらね? 論文倫理学? 昔もあったのかな?

 

まあそれはいいのだけど……話をちょっと今日のメールのやつに戻すと、まあ私は論文で使う解析ソフトを他の目的で書いただけだし、彼らがそれを流用して私抜きで論文を仕上げられるのならば私が著者に入る必要は全くない。

プログラムの理解に怪しいところがあるんだったら先に連絡をしてほしかったけれど、それを教えたからって私が著者に入る必要はやはりない。

彼らのデータのとり方の指導をして、彼らのためにプログラムを書き換えて、論文を仕上げていくときにそれなりに使える意見を出した……このあたりが論文の著者に入るのに妥当なラインなのかなー。

まあ今回のメールにしても、別に著者に入れるなんて言わなくてよかったんだよね。彼らがこの論文を作り上げた段階で私を入れる必要がないと思っているわけで、それには100%同意だし。

論文の真ん中くらいに名前を載せることなんて大した意味はないんだからさ、こういうときに遠慮せずにアクノーレッジするからちょっと意見貸してなーって言える状況にあったほうが健全だよねー。

なんてことを綴りたくなった愚痴雑記でした。

 

関連記事

1. python・科学記事のまとめ

D

macでプログラムとか書いている時によく使うターミナルコマンドなど

 

プログラムをターミナルのviで書いてる時なんかによく使うコマンドなどを書いていく投稿。

macのターミナルのコマンド関連

terminalで現在いるディレクトリをファインダーで開く

openにピリオド

open .

ファインダーで開いてるディレクトリにterminalで移動

コマンドラインにcdをタイプしてから、ファインダーの中のフォルダをドラッグしてターミナルの上にドロップ。

コマンドラインからZipにフォルダーを圧縮

単純に圧縮するだけってのがしたいのにいつも忘れるコマンド。変なオプションつけてパスワード付きになっちゃったりするんだよな。

ともかく、これだけで良い。

zip -r AnyName.zip FolderName

terminalからファイルの拡張子をまとめて変える

for filename in ./*; do mv $filename ${filename%}.txt;

これってシェルスクリプトってやつなの? 詳しくないからわからないんだけど、まあ動いてるからヨシッ。

その他mac使うのに便利な操作

macのファインダーで隠しファイルを出したい場合

[command]+[shift]+[.]

これだけ。

タブブラウザの閉じたタブを復元

[command] + [shift] + [t]

macというかブラウザだけど。

 

 

何かあれば随時追記予定。

 

 

関連記事

1. pythonのまとめ

D

配列から要素をランダムに取り出してユーザーに返す(html, javascript)

 

前回の投稿でユーザーインプットに対して文字列を返すところまで書いたので……

内部リンク: htmlとjavascriptでユーザーインプットに対して文字列を返す

後はこの文字列を配列からランダムに取り出すようにしたい。

配列からランダムに取り出すってところは割と有名なやつがあるので難しくない(下のL15のところ)。

Math.Random()で0から1の間のランダムポイントを作り出して、配列の長さをかけることでその長さにスケールをあわせる。んでMath.floor()を使って整数化して取り出したい配列の要素指定に変える……ということだろうな。

配列からランダム取り出し

問題は、これだと一旦文字列取り出したところで固定されちゃうところなんだよな……繰り返しクリックしても、取り出されるのが同じ値になってしまう。

って、ああ……単純にファンクションの中でMath.random()に走ってもらえばいいだけか。

これにちょっと悩まなきゃいけないプログラム系の素養のなさが悲しい。

修正したのが以下のコード。まあ、もうちょいスマートな書き方はありそうだけど、とりあえずこれでやりたかったことは走っているから良しとしよう。

ランダムで文字列を取り出し その2

というわけで……これをワードプレスのショートコードに突っ込んで、以下が実装例。

ユーザーインプット(1・2かそれ以外)によって別々の配列から文字列を返す。

……Oops、ワードプレスエラーでサイトが表示できねえ。

ああ、これだとname_arr、name_arr2、name_arr3の配列のところのシングルクオテーションがショートコードのルールか何かに蹴られるのか。

ワードプレスに使う場合は、ここをダブルクオテーションに変える必要があるってことね。

というわけでそれを修正後の実行例。

 

here is output

 

うん、問題なく動いていそうな挙動。

というわけで、無事配列からランダムで文字列を返すツールができました。ちゃんちゃん。

これで自分で欲しかったwebツールを書くだけの材料ができたので、別サイトにて1つ目のwebツールを仕上げることにしよう。

……ってあれ、投稿のシングルページだとしっかり動くけど、ブログトップページだと動かないってバグがあるな。まあ、このページがブログトップから開かれる確率はほぼ0だろうしいいか。

関連記事

1. ウェブサイト制作系お勉強のまとめ

D

htmlとjavascriptでユーザーインプットに対して文字列を返す

 

前回は簡単な計算を書いてみたわけだけど……

内部リンク: ショートコードでhtmlコード利用・練習編〜四則演算導入〜

今回はユーザー入力に対して文字列を返すというものを書きたい。

やりたいのは例えば1-5で指定されるような文字列の辞書、というか配列を作っておいて、その文字が入力されたらランダムで1個の文字列を返すっていうこと……なのだけど、今回はとりあえずユーザーインプットに文字列を返すところだけ。

記述は難しくはない。だけど条件分岐とかが出てくるので、javascriptを混ぜることは必要になってくる。

ワードプレスのショートコードでhtml内包のjavascriptでユーザーとやり取り

とりあえず書いてみたのはユーザーの数字入力に対して、適当な文字列を返すプログラム。例のごとく諸事情でスクショで。コード自体は後でどっか別ページにまとめて貼り付ける予定。

ユーザー入力に対して文字列を返すコード

1だとTaroで、2だとHanako、それ以外だとJiroを返すコード。ああ、outputのライン(L19)は前のコードから消し忘れただけなのでいらない。

  • <script>の中にjavascriptを記述する。
  • if else文は他のプログラム言語と似たような記述方式だから書きやすい
  • documentのgetElementByIDメソッドでID”res1″にアクセスして、innerHTMLで内容を書き換える
  • innerHTMLよりもtextContentの方がいいよってのを見かけた。どっちでも動きはする。

 

以下が実行例。上のスクショコードをtextContentで書き換えて、ワードプレステーマのfunction.phpのショートコードテンプレに突っ込む。

内部リンク: wordpressにショートコードでhtmlコードを導入してみよう

という感じでこのjavascriptは私の環境では動いているけれど、javascriptなので止めてる人は動かないかもしれません。

 

here is output

 

関連記事

1. ウェブサイト制作系お勉強のまとめ

 

D

ショートコードでhtmlコード利用・練習編〜四則演算導入〜

 

前回の投稿ではwordpressのショートコードを使えば、ワードプレスブログ内にhtmlコードがより便利に導入できることがわかった。

内部リンク: wordpressにショートコードでhtmlコードを導入してみよう

今回の投稿は応用編っていうかまあ練習をするって投稿。もう少しいろいろとした計算をもう少しまともな見た目で書いてみたい。

とりあえず四則演算を回してみよう

まあ、これは計算記号を変えるだけで良いわけだけど、もうちょっとフォーマットを綺麗にしてみようという感じの目標で……

四則演算させるhtmlコード

っとまあ、とりあえずこのような感じで。相変わらずコード的なものをブログ本文に入れるとショートコードが動かなくなるので、コードはスクショで……

四則演算をショートコードでの実行例

そのままfunction.phpのショートコードの中身にコピペして……新しいショートコードを作製。実行すると……

 

=0

 

という感じで、当たり前だけどhtmlだけでも四則演算は普通にできますね。

三角関数・指数・対数などなど

このあたりのシンプルな関数はどうなのかなっていう調査。

いずれはユーザー入力に対してPythonを走らせるって方向に行くつもりなのだけど、とりあえずはhtmlでできることを模索したい……のだけど、htmlにはそんなファンクションはなさげなのかな?

CSSには計算が組み込まれてるみたいだけど、ざっと見てる感じではjavascriptと組み合わせる方が王道だろうか。

そうなるとjavascriptとショートコードの相性的なものから再勉強か。それなら別の投稿にまとめたほうが良い気がするので、これはまた次回の投稿で。

関連記事

1. ウェブサイト制作系お勉強のまとめ

D

 

wordpressにショートコードでhtmlコードを導入してみよう

 

前回の投稿でワードプレスのテキストモードではonclick、oninputなどの機能が通常設定のままでは使えないことがわかった。

内部リンク:ウェブサイトの言語周りについてお勉強を始めよう in Finland!

ウェブサーチで見つけた一つの解決策はショートコードの機能を使う方法。今回の投稿ではショートコードでhtmlを走らせることを目的とする。

wordpressのショートコードの使い方

公式ページは以下のリンク。Developerの方のリンクを貼っとくけど、codexの方にもある。

外部リンク:WordPress API Shortcode

編集する必要があるのはfunction.php。ってやっぱりwordpressで何かしようと思うとfunction.phpをいじる必要が出てくる模様。

function add_text() {
$code = 'this is shortcode test for showing text';
return $code;
}
add_shortcode('addt','add_text');

function.phpに書き加えたのはとりあえずこんな感じ。

んでaddtを[]で囲むとショートコードが使えることになる。

アウトプットは以下のような感じ。

this is shortcode test for showing text

よくできました、ちゃんちゃん……っておしまいにしたいところだけど、もう少し続く。

ショートコードならばhtmlのoninputやonclickは動く仕様

さて、本題はこちら。

html直接打ち込むとテーマ設定か何かに蹴られて使えなかったoninputをワードプレスブログで動かしたい。

oninputのコードから作ったショートコードはこちら。

+ = 0

おお、動いたっ!

onclickはどうだろうか?

onclickのコードから作ったショートコードはこちら。

+ = 0

こっちも動いたっ!

ってことで無事ワードプレスのブログ内でユーザーインプットを受けて、ちょっと処理して出力するってことができました。

で、なんでコードを貼らないんだってことなんだけど……整形済みテキストでコードを近くに貼るとなぜかショートコードの方が動かなくなる変なバグがある。

というわけで一応スクショをここに貼っておくけれど、htmlコードをコピーしたかったら内部リンク:ウェブサイトの言語周りについてお勉強を始めよう in Finland!)を見て欲しい。いやコピーするほどのものじゃないけどさ。

しかし、これ毎回sftpでhtml直編集しないといけないってのがかなり面倒くさいな。ワードプレス内でテーマのphp編集できなくなってるのも解決するべきだろうか……

関連記事

1. ウェブサイト制作系お勉強のまとめ

D

 

科学論文のセカンドオーサーというクソポジションについて

 

ちょっと前にPhDの学生から「お前この論文にえー仕事したからサードオーサーからセカンドオーサーに格上げしたるでー」っていうありがたい言葉を頂いて思ったことを書くくだらない雑記。

 

いや、普通にファーストオーサーくれって言いたいくらいの仕事量つっこんでくるんだけど‥‥正直コーファーストのオファーがないのがマジで不思議な仕事だったわ。

他の論文でもそう思ったことはあるんだけど、そのバランス考えるのってPIの大切な仕事だよね。特に論文作るのに分業がますます進んでくこれからはさ。旧態然の仕切り方だからって流してたらほんと恨まれまっせ。

この論文と最近のもうひとつの論文はホントに意味わかんかったわ。仕事始める段階に戻れるなら間違いなく断ってるのは確か。ってか残り少ない研究時間の中では、あの近辺からの仕事はもううけん。

似たような仕事突っ込んでセカンドオーサーになったもう一つの論文では全くそういう感慨がないから、ファーストオーサーからのリスペクトがあるのかってことも大きいんだろうけどさ。

 

そもそもセカンドオーサーって著者が3人しかいなきゃ誰でもセカンドになるわけだし。全く業績評価にならんし。それを誇らしげに与えられる意味が全くわからないし。

シニアオーサーってかラボのビッグボスとかにそう言われるなら、まあ納得するっきゃないってわけだけど……

PhDの学生にできるだけ協力するって方針のラボだったからそれに従ってクソマジメにデータ出して、考察まで書いてやったけどさ、そのクソ努力した結果が”セカンドオーサーにしてやるわ”って割とクソな世界だよね。その見返りがあるってんだったら良いけど、もちろんそんなわけはないわけで。

いや結局のところマネージメントはボスの仕事なんだから、それをはしょったボスが悪いんだろうな……もう、ほんとこの世界クソだわ。

研究系以外でもそんなもんだとは思うけど、丁寧な仕事する人間から精神死んでいく世界なんて終わってしまえばいいのに。

辞めるからもういいやって思ってたけど一応言っておく。やっぱりこのシステム頭おかしいよ。

たぶんどの世界だってそうなんだろうけどさ……

ほんと。

 

あー、いや、言いたかったことはそんなことじゃなかった、鬱が進むとだめだな……言いたかったのはセカンドオーサーについてだった。

セカンドオーサーって今回みたいな感じで、たまに恣意的に評価される雰囲気になることがある……だけどセカンドオーサーが何報あるかなんて評価されないんだから、そんなカテゴリはなくすべきだよね。

っていうかこれから研究職に行く人にはセカンドオーサーになってしまうような仕事は勧めないよ。ってかもちろん強いモチベのある人以外には研究職自体勧めないけどさ。同じ努力量にもっとペイする仕事あるし。

ファーストかシニアになれるものだけに注力して、そうじゃないのは後ろの方に名前がのっかるってレベルの仕事に留める。そうした方が全然効率あがるもん。まあ皆そうしだしたら全体が回らなくなるんだけどね。ほんとボランティアが死ぬクソな世界だ。

リラックスな仕事環境に生きてる人たちはセカンドオーサーを重視したりもするけど、それは幸せな世界だよね。科学を押してくのはあの方たちなのだろうけれど、一緒に共同研究はしたくないよね。ってか学生にはそういうグループと働くのは勧めない。

 

ファーストとシニアはまあわからないではないけれど、それ以外の序列がホントに何かに評価されることってあるの? ネイチャー・サイエンスならあるの? そうなら点数化するべきじゃん?

それをめっちゃアピールする人なら意味あるのかもわからんけど、そういうことする人ってそもそも論文0でもコミュ力で押して仕事とれるじゃん?

仕事した人間はコントリビューテッドオーサーのリスト、そこまでじゃない人間はそれ以外のリスト。ファーストの仕事量なんて昨今大してないし、シニアの重要性的な予算とってくるとことか論文のコンセプトを作るところなんて別のところで評価されている。っていうか奴ら既にテニュアなんだから……

しっかり論文にどういうコントリビュートをしたのかっていうのを評価して、そのコントリビューションをしっかり点数化・可視化する。まあ最近の論文はそのあたり聞かれることが多くなってきてるけれど、ジャーナルよりも研究機関の方こそがそこをもっとしっかりと評価していくべきなんだろうと思うよ。

そういうシステム作ってかなきゃ、これから色々とだめになっちゃうんとちゃうかなー。

関連記事

1. python・科学記事のまとめ

D

繊維試料のX線散乱に関する雑記 その3

 

ほとんどは調べ物しながら適当にメモとってる感じの単なる雑記です、その3。時折適当に間違って書いちゃったとことかしれっと修正してたりします。何らかの検索ワードでここにたどり着いちゃてる人はあまり信用なさらず、へーん、って感じで読み流してください。

繊維軸方向に平行に飛ぶ散乱(子午線散乱)

一般的な原料一つの繊維試料の場合だけど、この子午線方向の散乱は繊維に沿った結晶と非晶の繰り返し構造を見ることがほとんど。非晶がほとんどない連続結晶繊維の場合、子午線方向にはほとんど散乱がない場合もある。

超小角にいけばポアの縦方向のサイズの散乱が出てくる。それっぽい言葉で言えばポアの長さ方向のshape functionの1次元フーリエ変換ってことになるようだけど、まあ長さの逆数になるので普通はべらぼうに長いポアの長さ方向の小角散乱は考慮しなくて良い場合が多い。

というわけで、この方向に何を見るのかと言うと、(ある場合は)繊維方向の結晶と非晶の繰り返しだけということになる。それで繊維状ポリマーの場合は大概非晶と結晶が規則的に並ぶことになるので、回折強度として現れてくることが多い。

詳しいことは書かないけど、回折から何が抽出できるのかだけ。

子午線の回折パターンをぱっと見てわかること

大雑把にいうと回折が何個あるかで結晶(非晶)の形や、2次元配列がわかったりする。回折は2個(2-point)か4個(4-point)。1次元データしか取れない装置を使ってると、これがわからないので注意が必要。

わかりやすく言うと……

Rule et al. Macromolecules 1995, 28, 8517—8522

の図1のようなイメージ。

2個の場合も4個の場合も構造次第で回折の強度分布が変わってくるので(eyebrow-typeとかbutterly-typeとか呼ぶ)、そういうのもパターンを見るだけでなんとなくどんな構造を取ってるのかがわかる。

ちなみに2個の場合でも4個のがくっついちゃってるだけって解釈されることも多いので、2個だからシンプルな構造とは必ずしも言えない。

回折の強度ピーク位置からわかること

  • 繰り返し構造を取る結晶+非晶の長さ(long period)
  • 4-pointの場合は繊維内での結晶の傾き or 結晶と非晶の作るマクロラティスのズレ

まあこれは回折の強度ピークまでの距離と角度を測るだけなので、すぐに値が出せる。最も4-pointの場合は、その値をどう発表するかってのは色々ある。

回折強度からわかること

  • 絶対強度から結晶と非晶の体積比(ただし、強度を適切な条件下で取得している必要がある)
  • 強度の広がりから持続長(coherence length、広角のシェラー式的な計算。バリバリの小角屋さんからは文句が付く可能性がある、というか文句を付けられてリジェクトされたことがある)。ラメラ結晶なりのサイズを反映する。

このあたりがぱっと解析してわかること。あ、いや結晶・非晶比の値は変換計算が大変だな。

まあこんな感じのことを式でパラメタライズしていくと、3Dモデルの作製へって話しに伸びるのだろうけど、実際にそこまでいくのは大変。

子午線方向回折の幾つか代表的な解析方法

(1)子午線方向の強度を投射して(Intensity projection)1次元プロファイルを解析

クラッキーカメラの原理と同じということで、繊維軸の垂直方向のスライスの積算強度を(Q_z VS I_total(Qz)って感じか)プロットして解析する。

もちろんこれだと異なる2-pointと4-pointから同じプロファイルができちゃったりするわけだけど、だしたいのは繊維軸に並行な方向での2phaseの相関関係なので問題はないってこと。逆に言うと回折の広がりについて深く考慮せずに構造情報を抽出できるはずで、一度導入してしまえば割と単純なのに言えることも多くて良い感じの方法。

これはRulandあたりからのドイツ系のチームの流れなのかな。最近でもチラホラ各所から論文が出ている。例えば……

ACS symposium series, Vol. 739 (2000), 41–56

などは、この系列のお仕事がよくまとまっている記事。

プログラム導入はちょっと大変そうだけど、最近中国の研究者がPythonで書いたプログラムを発表してたりもする(今のところは然程引用されてないかな、私も内容やプログラムはチェックしていない)。そういうのを利用するのも悪くないのかもしれない。

(2)結晶・非晶の3Dモデルと配向分布で回折の広がりを計算する手法

実はこの方法はいろんなグループからたくさん出てるけれど、有名所はこのあたり。

Gerasimov et. al. Kolloid-Z. u. Z. Polymere 250, 518-529 (1972)

日本人グループもこんな感じの手法で幾つか論文を出してたりする。

Yabuki, K., Iwasaki, M., & Aoki, Y. (1986). Textile research journal, 56(1), 41-48.

個人的にはやっぱりこういうモデルベースのアプローチが直感的にわかりやすいので好き。でも同じグループから何報も論文が出てるって感じではないし、大変さもあるんだろうな。

レビューアによっては解析がモデル依存だって怒られたりするし。

(3)回折形状の解析を真面目にやる方針

2次元データの解析を1次元プロファイルの連続とみなして解析する方法など。

GrubbとMurthyがめちゃくちゃいっぱい論文を出している。近年の論文はもうちょっと踏み込んだ解析をしてる気がするけれど、いずれにしろこの分野の大御所グループの一つ。

楕円形の回折ピークの広がりとラメラ結晶の配置について、たくさんの繊維ポリマーを解析して深い考察を進めてきている。

私はポスドクはこういうグループに潜り込むべきだったんだろうな、と最近では思ったりしているが後の祭り。それにそんなのは今だから思うことで、そのときに最適なポスドク先を選べる学生って凄いよねー。

(4)その他面白いなと思った解析

Koerner et al. Macromolecules 2008, 41, 4709-4716

モデル作ってフーリエ変換で回折図を作って評価しようというアプローチかな?最近みつけて面白いなと思ったんだけど、まだ良く理解していない。簡単に実装できるならやってみたい方法。

という感じで子午線方向のまとめは一旦おしまい。

 

関連記事

1. python(科学記事)のまとめ

D

 

ウェブサイトの言語周りについてお勉強を始めよう in Finland!

 

ちょっとやりたいことが幾つかあってそのためにウェブサイト用の言語を学んでおきたいなと思っている今日このごろ。

よく使われてそうな言語はhtml、css、javascript、それにphpって感じか。

ざっと見た感じ、htmlがウェブを作るので、cssがデザイン、javascriptで動かして、phpで便利化するって感じなのかしら。

wordpressはphpでってイメージが強いけど、結局全部使わないとまともな見た目と動作にはならないってことかな。ちょっとずつ全部勉強しながら必要なものを深く学ぶ感じで良さそう。

しかしjavascriptとphpでできることの差がよくわからないな。

wordpressの編集内で簡単に走らせようと思ったらjavascriptの方が良いのか。phpはfunction.phpを書き換えないといけなさそう。

ま、もちろん、そんな簡単にわかるわきゃないので、追々でいっか。

ワードプレス投稿内でhtmlで遊んでみる

まあとりあえずはワードプレス内で遊びながら学んでいこうということで……

テキストモードで打ち込んでそのまま動きそうなのはhtmlとjavascriptっぽいけどとりあえずhtmlで。

まずは……


htmlで入力ボックスの作製。ビジュアル編集ではなく、テキスト編集の方で……

<input type="text">

と書くだけ。

説明を入れたかったら……

<label>テスト入力:<input type="text" value="見えるかな?"></label>

という感じ。

もう少しそれっぽいのを作ると。

<p>
<label>数値1を入力してください:<input type="number" value=0 id="num1"></label>
</p>
<p>
<label>数値2を入力してください:<input type="number" value=0 id ="num2"></label><input type='button' value="get" id="getButton">
</p>

getはダミー。

そしたら、こんな感じで足し算でもしてみましょうか。

<form oninput="result.value = Number(A.value)+Number(B.value)";>
<input type="number" name="A" > +
<input type="number" name="B" > =
<output name="result">0</output>
</form>

ぬ……これだと動かないな。なぜだ。あ、テキストモードからビジュアルモードに戻ると、oninputのところが消えてしまうな……なぜだ。

色々追加。

<html>
<body>
<form oninput="result.value = Number(A.value)+Number(B.value)"> 
<input type="number" name="A" > + 
<input type="number" name="B" > = 
<output name="result">0</output> 
</form>
</body>
</html>

こういうタグ付けは意味なさげ。やっぱり単純に<form>のところの記述が消えちゃうのが問題っぽい。

ていうかhtmlテストサイトで試すと普通に動くし……ってことはwordpressに書き込めない方の問題か。

<form>
<input type="number" name="A" > + 
<input type="number" name="B" > = 
<output name="result">0</output>
<input type="button" onclick="result.value = Number(A.value) + Number(B.value);" value="calc">
</form>

これもだめね。onclickの記述が消えてしまう。つまりoninputとかonclickが私の環境のwordpressで動いてないってことか。

結局のところhtmlのoninputとかonclickが通常設定では使えない模様

ここまで来て何個かそれっぽい説明をしてるstackoverflowを発見。

やはりoninputとかonclickが、使ってるテーマかwordpressかで止められている感じか。function.phpを書き換えればいけるってことのようだけど。

それからショートコードを使えばいけるかも……なんて記述もあったので、次はそれを試してみようかな。

んー……でもなんだか最終的に目的にしてるものを実装するには、この書き方だと難しい気がしてきたな。どうせhtml, javascript, php勉強するなら、自作サイトを立ち上げたほうが良い気がしてきた……

関連記事

1. ウェブサイト制作系お勉強のまとめ

D

 

繊維試料のX線散乱に関する雑記 その2

 

ほとんどは調べ物しながら適当にメモとってる感じの単なる雑記です、その2。時折間違ってるとこ修正してたりします。間違ってここにたどり着いちゃてる人は、へーん、って感じで読み流してください。

繊維ポリマーからの散乱・小角領域(SAXS)

解析前の前提として密度の差が重要

基本的に小角X線で見てるのは散乱体と周辺マトリクスの密度の違い。X線なら電子密度。

ポリマーの場合は大雑把に、非晶・結晶・空気(もしくは溶媒)になる。ポリマーが2種類以上の場合はもちろんフェイズが増える。ついでに階層構造なんかもあったりするので、2つの構造サイズの境界領域なんかでは更に散乱パターンが曖昧になり解析が複雑になる。

それはともかくとして、固体の場合はtwo-phaseにシステムを仮定して解析することが多いのだけど、空気の入ってるポアがあることは多いのでそう簡単にtwo-phaseじゃないことがほとんど。
妥協として各サイズ領域(散乱ベクトル、Q-range)において条件付きtwo-phaseって感じで解析してくことになるのかな。繊維の結晶やエレメンタリーフィブリルサイズに比べれば、一般的にポアサイズの方がでかめで散乱が被らないことが多いし。

コンポジットのサンプルとかで複数の構造体が絡んでいるような場合(固体で既に3-phaseなシステム)はご愁傷さま。よっぽどラッキーな場合以外は、解釈に苦しんだ上でレビューアにいじめられることになる。

さて普通のポリマー繊維に話を戻すと、便利とも言えるし厄介だとも言えるのが空気部分の溶媒置換。これで各フェイズの散乱強度比を変えられるので、内部構造の推定が容易になる。

カーボンなんかではグリセロールなんかがよく使われるし、普通のファイバー試料では水や希薄塩溶液などが良く使われる。新しく実験計画を組む場合は、まず入れといた方が無難な実験。

ただ、溶媒の浸潤で構造が変わるって可能性はもちろんあるし、すべてのポアが溶媒にアクセシブルかどうかも条件次第だし、解析にはやはり注意が必要。

それから結晶と非晶の構造が見えるかどうかは、素材次第。非晶と結晶の密度差が近いようなサンプルは散乱強度が弱くなるし、非晶と結晶のサイズが近しい場合は散乱強度が強くなったりする。

元々回折が見えてない場合は解析できないのか? というとそういうこともなくて、この場合は結晶と非晶の密度差を上げる処理をしてあげれば良い。よく使われるのは非晶を選択的加水分解する、非晶を溶媒和させる、結晶もしくは非晶を重水素化して中性子でデータを取る……などなど。

まあどの相を見ようにも、散乱密度差を見てるってのが重要ってことでしょう。

パウダーでの実験と解析

いろんな汎用的な式ってパウダー用にできてるから、パウダーで実験しとくと楽だったりするんだよね。小角でも広角でも。サンプルの厚さやコンディションも調整しやすいし、定量的な構造パラメータに持ってきたい時も粉末試料が一番。

まあこれも粉末化で構造が変わるってサンプルも結構あるものだし、繊維試料の場合は結晶が長いので、完全な粉末結晶っていうのは作り難い。

基本的には平均でもライン抽出でも、散乱パターンを1次元の散乱強度プロファイルになおして、その形にちょうどよい構造モデルの計算式を当てはめるってことになるのだろう。

絶対強度でデータを取ってれば、一応定量性があるってことになる。

まあ、このパターンで解析が済むなら、色々と教科書もウェブ資料も論文も整ってるから素敵。

小角の繊維図の解析

まあ繊維試料を使ってりゃそうなんだけど、ほとんどの場合は繊維散乱を扱う必要が出てくる。

何が見えるかって言うと、繊維軸方向に平行に飛ぶ散乱と、繊維軸方向に垂直に飛ぶ散乱、そしてたまに混ざっている配向性のない等方性の散乱。

繊維の何かしらの配向解析

もちろん繊維試料なので配向解析は重要。同じ原料高分子を用いてさえいれば、どのレベルにしたって配向が一番繊維の強度評価に効いてくるので。

というわけで何かしらの配向的特徴を持つ散乱、赤道のストリークなり、子午線の回折なりの強度の広がりを評価する。

赤道のストリークの場合は、適当な散乱ベクトルの位置で方位方向のプロファイルを作って方位角での強度分布をHermans Parameterにでも直す。小角用の式も幾つかあるので、そういうのを使っても良い。

ポアやフィブリル自身に配向分布が余りない場合は、どの散乱ベクトルで評価しても配向パラメータはさほど変わらず。むしろこの場合は散乱の広がりは長さ方向のサイズに影響されるってことになるのか。

綺麗に配向分布している場合は扇形のように回折が広がる。この場合は散乱ベクトルの切り取り次第で算出される配向度が変わってしまうので、1次元で強度トップになるような散乱ベクトルで配向評価をするのが良いか。小角だとその見積もりも楽ではないが。

ついでにこれも他の構成フェイズの影響を受けるような構造の場合、そもそもそっちのフェイズからの影響を見てるって可能性も出てくる。

その場合は、まあ各散乱ベクトルで全部配向度を計算して、どう変化してくかってことを追っていく必要があるんだろうな。計算自体は簡単にプログラムが書けるけど、パラメータ解釈の方は容易ではない。

子午線方向はもっと厄介。強度分布が結晶と非晶ユニットの構造サイズの影響も大きく受けるので、配向分布だけの影響を見てるわけじゃないので。そこを分けようってなってくると、構造の解析と同時に進める必要が出てくるわけで、結構大きい解析プログラムを書く必要が出てくる。

またちょっと長くなってきたので、赤道と子午線の放射方向の強度の扱いについてはまた別の投稿で。

関連記事

1. python(科学記事)のまとめ

D