グルノーブル市内での通勤 〜バス・トラム

アメリカではもっぱら車生活であったが、フランスでは契約期間が6ヶ月しかないので、車は購入しなかった。
しかしここグルノーブルでは、全く不便を感じない。街がコンパクトに整備され、公共交通が良く発達しているからだ。

市内の移動のメインはトラムとバスだろう。
どこに行くにしても、だいたい一本乗り継げばたどり着くことができる。忙しい時間は5、6分間隔で走っており、そうでない時でも10分間隔程度。
とはいえさすがに深夜は走らないし、夜間はかなり本数が減るけれど。

グルノーブルのトラム・バスチケットの購入

トラム駅のチケット販売機

トラムステーションのチケット自動販売機

さてグルノーブルでのトラム・バスの使い方だが、トラム駅または大きめのバスの停留所に行くと、自動販売機がありチケットが買える。購入にはICタグがついていればクレジットカードが使える。もちろん現金での購入も可能だ。
近くにタバコ屋があればそこでも買えるかもしれないが、最近は売ってないところもあると聞いた。

チケットは1枚だと1.5 €、まとめ買いすることで1.3€まで値段が下がる。
10枚のまとめ買いだと1枚しか出てこないが、30枚のまとめ買いだと10回券が3枚カードが出て来るので注意が必要。1枚しか回収しないで損するって人がたまにいる。

ちなみにこの紙のカードのようなチケットだけど、ポケットの中で折り曲げたりすると読み込みができなくなる。
前回グルノーブルに行ったときに読み込みができなくなってしまい困っていたのだけど、運転手は今回はそれで乗ってもいいから次はAgence de Mobilité TAGに行って新しいカードと交換するといいと教えてくれた。

バスのチケットは運転手からも買えるが少し高い、2€だったかな。小銭で払わないと運転手がお釣りを持っているとは限らない。
一度小銭ないけどどうしようって運転手と話していたら、もういいから次から小銭用意しとけって言われたことがある。

毎日二回以上使うような場合は、写真を持ってオフィスに申請に行くと、月払いの定期券が53€で買える。けどちょっと面倒臭い。

私の場合は携帯のアプリ(tag&pass)を使っていた。
使用ごとに1.4€で一月の支払いリミットが59€。なので月払いの定期券と大して変わらない。
土日など使わない日もあるので、月によっては定期券より安いということにもなる。
私の携帯は支払い用のNFCのシステムがついていなかったので、毎回二次元バーコードをスキャンしなければならないのがやや難点だったけど。NFCのついてる携帯なら読み込みも簡単だし結構便利だと思う。

グルノーブルでのトラム・バスの乗り方

トラム駅の改札

トラムステーションの自動改札。上の方が定期券の読み込みで、下の方が携帯アプリの読み込み。

トラムの乗り方は、自分でトラム駅においてある自動改札でチケットをスキャンする。チケットをスキャンしておいたら、トラムがきたらドアのボタンを押して開き、乗り込めば良い。
降りる時は、駅に着いてからドアのボタンを押して勝手に降りる。ドアは勝手に開く場合もあるし、そうでない場合もある。

バスの場合は、運転手のあたりにチケットの読み取り機がある。バスは降りる駅が近づいたら、ボタンを押して運転手に伝える必要がある。誰も押してないと素通りするので注意が必要。

チケットの使用が基本的にセルフサービスなので、時折社員がチェックにやって来る。なんて原稿をトラム内で準備していたら、まさにチケットチェックの社員が現れた。何人かスキャンをせずに乗っていたようで回収されていた。
罰金は法律で決まっているのでべらぼうに高いわけではないようだけど、毎回払わないで乗っていると損をする確率の方が高いだろう。

というわけで、グルノーブルの公共交通事情でした。基本的にトラムの事故はほとんどないし、バリアフリー化も良く進んでいる。
日本の私の地元では、トラムの導入を検討しているそうだが、このようなコンパクトな街と公共交通のネットワークが作れるなら良いのではないかと思う。

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フィンランド渡航手続き 〜滞在許可証

フランス滞在中にフィンランドに転職したくなる方はレアかもしれないが、そういう人たちの役に立てば嬉しいなと思いつつ、フランスでのフィンランド滞在許可証申請のプロセスを備忘録に記しておく。

滞在許可証の必要書類と電子申請

フィンランドで働く場合、3ヶ月以内の場合だとVISAの申請になり、3ヶ月以上の場合だと滞在許可証の申請が必要になる。 私の場合はとりあえず1年なので、滞在許可証の申請を行った。 滞在許可証のカテゴリーはいくつかあるのだが、私はポスドクだが大学での研究活動をすることになっている。 そこで研究者用での申請を行った。
必要書類はアメリカやフランスに比べると少ないという印象。 何より重要な書類は、就職先からの招待状である。 就職契約が済んでいるような場合だと、契約書も必要なようだ。 私の場合はこれから働きに行くので、招待状だけで大丈夫だった。 招待状は就職先の人事部に名前・住所などいくつか情報を送ったら、数日後には準備していただけた。 その他申請の必要書類は、履歴書やパスポート、フランスの滞在許可証など特に準備の必要ないものだけであり、速やかに申請準備を整えることができたのであった。
フィンランド大使館は電子申請の受付をしており、書類をスキャンして先に電子申請をすることで、申請手続きのスピードアップが可能なようであった。 しかし滞在許可証申請には指紋の取得などが必要なため、パリのフィンランド大使館を訪問する必要はある(VISAの申請の場合だと各地領事館でも申請ができるとのことであった)。 面接の予約は大使館に電話する必要があるが、この時期は空いていたようですぐに予約をとることができた。

滞在許可証申請のためのパリ・フィンランド大使館訪問

電子申請の翌日、各種書類の原本を揃えてパリのフィンランド大使館を訪ねた。 パリは私の住んでいるグルノーブルからだと直通のTGVで三時間程度、手続き時間を含めてギリギリ日帰りが可能だ。
フィンランド大使館はオルセー美術館のあたり、コンパクトな建物であった。 入り口らしきものはあったものの、入り方がわからず嫁としばらく相談。 結局普通にチャイムをならしたら、中から入り方の案内をしていただけた。
面接は情報入力の際に多少システム障害があったため、私と嫁の2件の申請に一時間強かかったが、順調にいけば30−40分くらいで終わるのではないだろうか。 発行されたら郵送してくれるとのことで、申請料金とともに郵送料金を払って大使館を後にした。
ちなみに本当に空いている時期だったようで、私たちの申請中の訪問者は私たち二人だけだった。

滞在許可証取得に要する期間

滞在許可証発行までにかかる期間の情報があまりなかったので、私たちはどれだけ待つか少し心配していた。 結果としてはフィンランドの滞在許可証の発行は極めて迅速であった。 大使館訪問から約1週間で許可証授与の決定がおり、その後1週間ほどで私たちの手元まで郵送されてきたのであった。

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海外で炊飯器が見つからなかったら。。。

なんてことをアメリカで働き始める前に考えていた。 しかし、今ではよほど僻地に行かない限り日本米や炊飯器を手にいれるのに苦労することはないとは思う。 アメリカではカリフォルニア米が美味しかったし、フランスでも日本品種の米は十分に美味しい。
しかし私の場合なぜだか炊飯器を買うタイミングを逃してしまい、五年ほど鍋での米炊きを続けている。 稀に多少失敗することもあるが、だいたい美味しいごはんが炊けるし、仕上がりが少しずつ変わるのは楽しい。 鍋によるお米の炊き方は、以下の通りである。

米を水で普通に研いでおく。 給水はざるにあげても良いし直接水につけても良いが、最低三十分できれば一時間以上する。 炊飯器のように、給水時間を勝手に足してくれたりはしないので。 水の量は、大きめの軽量カップを使ってだいたい同体積程度をいれると良い。ざるにあげた場合は水が完全に切れるのでやや多めに水を入れる。 1割り増しといったところだろう。
調理には底がフラットなタイプの蓋つきの鍋を用意する。 テフロン加工で面積が大きいものを使うと成功率がやや高いかもしれないが、他のものでも大きな問題が起こったことはない。 フランスではテフロン加工のものは高かったので、金属製の小さな鍋を使っている。

最近は日本でもそうかもしれないが、フランスやアメリカだとガスより電気調理器がよく使われている。 タイプによって温度変化が極めて違うので、米を上手に炊き上げるには多少慣れが必要かもしれない。
とりあえず蓋をして中くらいの設定で水面がプツプツと軽く沸騰しだすまで待つ。 プツプツと沸騰するのが確認できたら、弱火から中火くらいの設定に変えて十分間炊き上げる。 ここの火加減はまさに装置次第なので、ベストのコンディションを見つけて欲しい。
その後調理器を止めて、蓋をしたまま放置して十分間ほど蒸らす。 うまくいっていれば、美味しいご飯が炊きあがっているはずだ。

失敗したとしても芯が若干残っていたりだとか、やや水分が多めのベシャっとしたご飯になる、または底の米が焦げ付くくらいのものである。 炊飯器が壊れた場合や気が向いた際にはぜひ試してみていただきたい。

 

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フランス渡航手続き〜VISA申請、入国、滞在許可証

海外就職などで他国に長期滞在する場合、ビザの申請をする必要がある。 フランスに長期渡航された方達はよくご存知だと思うが、フランスの場合手続きが結構人次第だったりコロコロ変わっていたりして、思うように書類を手にいれたり提出したりすることが難しかったりする。 私は6ヶ月と比較的短い滞在期間で申請したため、多少特殊ではあるかもしれないが、せっかくなので体験記を記しておきたい。

研究者ビザの必要書類と申し込み

研究者がフランスに行く場合、研究者ビザに申請することができる。 この研究者ビザは多少優遇?されているのか他のビザよりはやや楽という噂であった。 研究者ビザの申請にはまず何よりConvention d’accueilを手にいれる必要がある。 この手続きには時間がかかることが多々ある。 しかし、私の場合幸いなことにこちらの必要書類がそろったのち、2週間ほどで手にいれることができた。
その他の必要書類は随時変わるので在日フランス大使館の必要書類リストをチェックしていただきたい。 ビザの申請には大使館で面接などが必要だが、11月初頭はさほど忙しくない時期だったようで、大使館の予約は2週間ほどでとることができた。

在日本フランス大使館での面接からフランス入国へ

朝早めの面接であったため、東京には前日入りした。 フランス大使館は広尾駅から歩いて15分ほどのおしゃれな建物であり、ビザセクションは道路沿いの小さな建物。 3人ほどしか同じ時間で待っている人はおらず、僕の担当の人は日本語の流暢なダンディーな男性。 フランス語が話せないので英語での面接になるのかと思っていたが、とてもスムーズに面接を終えることができた。
その後1週間ほどでビザが下り、フランス渡航は問題なくできることになった。。。。 がしかし、よくよくビザを見ると話に聞いていたのとは少しビザの状況が違うようであった。 私の滞在は6ヶ月であるのだが、ビザの期限は3ヶ月後まで。 あせりつつこれはどうしたことなのかと調べてみた。 するとビザは入国に必要なものであり、入国後しかるべき手続きを行えばその期限自体には問題がないということであった。 数週間後長いフライトの末にフランス上陸を果たすことができたのであった。

フランス入国後の滞在許可証の手続き

・・・がしかし、そのしかるべき手続きがまたもう一つの問題であった。 現在はフランス大使館のホームページを見ると、研究者ビザは県庁での手続きを行うとしっかりと書かれている。 私が申請した当時は移民局(OFII)での手続きを行うことになっており、そのための書類をフランス大使館で準備する必要があった。
しかし、なんということかまさに私の渡航のタイミングでシステムが切り替わるということがおこったようだ。 用意した書類をそのままOFIIに送ってしばらく待っていたところ、こちらでは対応できない県庁に送ってくれという返信がきた。 慌てて県庁に予約をとったところ、2月の末に滞在許可証用の面接の予約をとることができた。 私のビザの期限は2月末までであったので、ギリギリだが期限内に滞在許可証のレセピセを発行していただくことができた。

以上フランスへの入国手続き。 何か思い出したら追記します。

追記 3月29日

ちょっと思い出したことを追記。

1 私は研究者ビザで申請したのだが、発行されたビザスタンプはpasseport talent, cherceur, carte de sejour a solliciter dans les dという記載のビザであった。 従来の研究者ビザの記載(scientifique?)とは異なるが、これがシステム変更によるものなのか、私の状況によるものなのかはわからない。

2 グルノーブルでは滞在許可証の予約は県庁のホームページからできる。 しばらく待つと、大学にある県庁の支所での面接の日程がメールで送られてきた。 併設されている大学の国際学生センターのようなところで、面接の前の書類のチェックをしてもらえる。 ここの職員は英語が堪能。 予約上では嫁の面接日程は私のものより1ヶ月ほど先だったのだが、私の面接と同じ日程に変更していただけた。 ちょうどよく空きがあれば、融通がきくのかもしれない。 ちなみに面接時の県庁の職員さんも私の担当の方は英語で対応していただけた。

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